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「鹿島のCBは日本代表のCBに」名門の歴史継ぐDF犬飼、前節のミス取り返す完封勝利

[ 2019年4月20日 21:30 ]

<鹿島・仙台>仙台に勝利しイレブンと喜ぶ鹿島・犬飼(中央)(撮影・会津 智海)
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 「あれをミスでそのまま終えるのか、力に変えるのか。今日がその第1歩だった」

 言葉どおり、4月14日の前節、FC東京戦の失敗を力に変えた鹿島のセンターバックが、20日のホーム仙台戦(1―0)で奮起した。

 攻守でフル稼働したDF犬飼智也(25)。左CKに合わせて頭で奪った今季初得点が決勝点となり、守備では公式戦7試合ぶりの完封に貢献した。「今日はゼロで終われたし、チームの力になれたかな。点より完封の方が嬉しいですね」。喜ぶ試合後の声は、聞き取れないほどガラガラにかすれていた。

 1―3で敗れたFC東京戦の反省があった。速攻に対する全体のリスクマネジメントが欠けていたが、最後の砦だったセンターバック2人は個の力で強力2トップに屈した。「僕とマチ(町田)に関しては、感じるものがあった」。試合前日の19日には、練習後に小田、安西、町田とこの日最終ラインを組んだ4人でジョギング。走りながら「無失点でしっかりやろう」と誓い合った。

 迎えた20日、自陣での味方のパスミスからピンチになりかけた前半24分の場面では、ボールを体に当ててブロックし、気迫あふれる動きで攻撃に転じた。もう一人のセンターバックである町田も、結果的に右ポストに直撃した間一髪のシュートに瞬時に対応するなど、失敗を繰り返さない覚悟でボールを追った。

 「(カウンターの)リスクマネジメントのところは前節学んだことなので、より意識していた」と犬飼。町田も「みんなで常に声を掛け合っていた。頭がはち切れるくらい、みんなで集中していた」とうなずいた。

 鹿島のセンターバックには、特別な自負がある。チームの主将、元日本代表DF内田篤人(31)は話していたことがある。「日本を代表する選手になんなきゃいけないのよ。このクラブはね。センターバックは特に」。最近では昌子、植田。かつては秋田、岩政、そして大岩現監督。常勝軍団の堅守を支え、日本代表に名を連ねてきた面々がいる。

 18年に清水から加入した犬飼も、系譜は理解している。「鹿島のセンターバックと言えば、日本代表のセンターバック。自分もそうなりたいなと思う」。そのチームの核であるセンターバックが点を取り、守り、1―0で終える試合こそ“ザ・鹿島”。完璧な試合内容ではなかったが、優勝を目指す上で大きな分岐点となりそうだ。(波多野 詩菜)

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