【城彰二が見た西野ジャパン】本大会で勝つこと最優先にしたメンバー

Ｗ杯ロシア大会日本代表メンバー発表する西野監督（撮影・西尾　大助）
Photo By スポニチ

　２３人のメンバーを見ると、西野さんは次回大会以降にもつながる陣容よりも、本大会で勝つことを最優先したのだと思う。ハリルホジッチ監督時代の選手をベースに大島らを加えた形だが、計算できるベテランが多く、時間がない中で結果を出すことを優先した。

　メンバーから浮かぶサッカーは、しっかり守ってカウンターで攻め、少ないチャンスを生かすもの。個人で攻めるよりも組織で戦うやり方だろう。ただし、３バックはガーナ戦では総崩れしていた。修正していくのか、４バックに戻すのかは悩ましいところだが、西野さんはいろいろなシステムを使える指揮官なので、本大会までに修正できると思う。

　コミュニケーションの取り方もうまく、選手の話はよく聞いてくれるし、戦い方の説明もわかりやすい。アトランタ五輪の時も私や前園さん、中田はブラジル戦の前など攻めたいと訴えたが、分析結果を示しながら「守備的にいこう」と丁寧に説明してくれた。選手一人一人にマッチアップする相手の映像をつくってくれたので、イメージしやすかった。

　ここまでは選手は「残りたい」という争いだったが、ここからはロシアで「勝ちたい」という争いになる。そういうマネジメントはたけているので、うまくまとめられると思う。（元日本代表ＦＷ、スポニチ本紙評論家）