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なでしこ連覇&高倉J初タイトル!W杯へ五輪へ大輪の花咲いた

[ 2018年4月22日 05:30 ]

女子アジア杯決勝   日本1-0オーストラリア ( 2018年4月20日    ヨルダン・アンマン )

アジア杯連覇、セレモニーで喜ぶ女子日本代表・高倉監督(右端)ら日本イレブン
Photo By 共同

 なでしこジャパンは20日、女子アジア杯決勝でオーストラリアを1―0で下し、2大会連続2度目の優勝を飾った。後半39分に途中出場のFW横山久美(24=フランクフルト)が決勝点を挙げた。16年4月に就任以降、世代交代を進めてきた高倉麻子監督(50)だが、最高の形で大会を終えた。日本は19年W杯フランス大会の出場権も獲得しており、20年東京五輪に向けても弾みをつけた。

 指揮官が丁寧に育て上げた若いなでしこのつぼみが、ヨルダンで大輪の花を咲かせた。試合終了を告げるホイッスルを聞くと、高倉監督はようやく表情を緩めた。

 「非常に厳しい戦いになると思っていた。苦しい時間帯が続いたが、粘り強く戦って勝利した選手たちにおめでとうと言いたい」

 フィジカル、スピードで勝る相手に対し、日本は猛攻をしのぐのがやっとの状況だった。「ずっと守備をしているなと。90分通して攻められている感じが強かった」と阪口夢が振り返ったように、シュート数は日本の5本に対してオーストラリアは22本。それでも、GK山下が前半15分にPKを止めるなど、守備陣を中心に耐え抜いた。そして後半39分。途中出場のFW横山が強烈なシュートを決め、劣勢を覆した。

 16年リオデジャネイロ五輪出場を逃してから2年。佐々木則夫前監督の後を継ぎ、同年4月に就任した高倉監督の試行錯誤がようやく結実した。大胆な世代交代を推し進め、若手を積極的に起用。昨年12月のE―1選手権や今年3月のアルガルベ杯など国際舞台で苦しみ指揮官は「予想以上にチームづくりに時間がかかった」とこぼすこともあったが、根気よく成長を待った。また「世界と比べるとパワー不足が否めない」とフィジカル強化に着手。2年連続で1月にフィジカルトレーニングに特化した合宿を行うなど、球際で負けない当たりの強さを培った。MF長谷川は「加速や最初の瞬発力のトレーニングをしてきた。変化はあったと思う」と語った。

 1次リーグから5戦無敗で栄冠を手にし、「粘り強く日本らしい戦いをしながらタイトルを獲れたことはチームにとって自信になる」と高倉監督。今後に向け、確かな手応えを得た。

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