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11日で丸7年…仙台一筋16年のMF菅井「最後まで諦めずに戦えた」

[ 2018年3月10日 20:38 ]

<仙台・神戸>前半、大勢のサポーターの前でシュートを放つ仙台・石原(左から2人目)
Photo By スポニチ

 仙台はホームで神戸に1―1で引き分けた。11日で東日本大震災から丸7年。「復興応援きずなマッチ」と銘打たれた一戦で、仙台一筋16年の最古参のMF菅井直樹(33)が右足に思いを込めた。

 0―1の後半28分から途中出場。同41分に右サイド突破からクロスを送ると、FWジャーメイン良(22)のシュートのこぼれ球からFW石原直樹(33)の同点弾が生まれた。「何かしてやろうという気持ちでピッチに入り、決めてくれという思いを込めてクロスを送った。あそこしか見えていなかった。狙い通りに行った結果、得点になって良かった。最後まで諦めずに戦えた」。33歳のベテランが今季初ゴールで勝ち点1を引き寄せた。

 スタジアムでは「復興絆いち」を開催し、三陸の海産物、季節野菜の汁ものなど地域の特産品を販売。防災ハンドブックの配布、ベンチ外メンバーによる募金活動などを行った。現在のメンバーで3・11を経験したのは菅井、MF富田晋伍(31)、MF奥埜博亮(28)、MF梁勇基(リャン・リョンギ=36)の4選手しかいない。菅井は復興支援について「いろいろな思いがあるので、自分の言葉では表せない」と多くは語らなかったが、熱い気持ちをプレーで表現した。

 昨年は3月11日にホームで神戸と対戦して0―2で完敗。渡辺監督は「去年は選手に必要以上に大きなものを背負わせしまった」と振り返った。試合前のミーティングで被災クラブが戦う重要性などを強調し過ぎた結果、選手に過度の重圧を与えてしまった1年前を反省。今年は「伸び伸びプレーしてこい」と選手を送り出した。

 前半28分に先制を許したが、最後まで諦めずに引き分け。シュート数10対6と内容で上回り、指揮官は「勝ち点3をとって被災地で困難な状況の方々に歓喜、喜びを届けたかったが、心を動かすものは届けられたと思います。勝ち点1をプラスにとらえたい」と視線を上げた。

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2018年3月10日のニュース