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集まった4人の元日本代表監督たち “歴史”知る功労者たちに敬意を

[ 2017年3月18日 11:10 ]

 W杯アジア最終予選がまもなく再開される。日本は昨年9月の初戦でUAEに1―2で負けて厳しい序盤となったが、なんとか調子を取り戻して前半戦を3勝1分け1敗の2位で折り返した。16日には23日のUAE戦と28日のタイ戦へ向けた日本代表が発表された。6大会連続出場を懸けた厳しい戦いの後半戦が始まる。

 そんな中、3月上旬に日本代表監督経験者4人が横浜市内のレストランで会食したという。二宮寛さん(76年〜78年)、石井義信さん(86年〜87年)、横山謙三さん(88年〜91年)、加茂周さん(95年〜97年)で、厳しい時代に日本のサッカー界を支えた人たちだ。

 日本は1964年東京五輪へ向けて西ドイツからクラマーコーチを招へいして強化し、68年メキシコ五輪では銅メダルを獲得した。しかしその後は五輪予選を突破することもできず、低迷が続いた。93年にJリーグが開幕し、同時に日本代表監督をプロ化し、オフト監督が就任してようやく強くなってきた。98年フランス大会でW杯初出場を果たし、その後はアジアを代表する強豪となった。

 だが、今一番大事なことは、苦しい時代を忘れないことだ。追い風が吹いているときはいいが、苦しいときには過去の経験や教訓が参考になる。歴代の日本代表監督から学ぶものは多いはずで、二宮さんらの話は貴重だ。

 長沼健さん、岡野俊一郎さんが亡くなり、“歴史”を知る人が少なくなっている。今回のような日本代表監督経験者の集まりも、日本協会が音頭を取ってやったほうがいい。そして、監督経験者に敬意が払われることによって指導者が目標を持ち、日本のサッカー界の発展につながり財産になる。ぜひとも現監督だけでなく、こういうところにも目を向けてもらいたい。(記者コラム・大西 純一)

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2017年3月18日のニュース