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大久保、古巣からみそぎの一発 ゴール裏へ両手合わせて“ごめん”

[ 2017年3月18日 21:36 ]

後半、FC東京・大久保がゴールを決めチームメートに祝福される
Photo By スポニチ

 明治安田生命J1リーグは18日、第4節第1日が行われ、FC東京へ移籍した元日本代表FW大久保嘉人(34)が昨季まで4年間プレーした川崎Fとの古巣戦で今季初ゴールを決め、3―0での勝利に貢献した。

 大久保は2点をリードしてロスタイムに突入した後半47分、昨季J1得点王のFWウタカ(33)とのワンツーで左サイドから抜け出すと、昨季までチームメートだった相手GK鄭成龍(チョン・ソンリョン、32)との1対1をゴール前でかわして左足でシュート。これがネットを揺らすと、FC東京のサポーターが待つゴール裏席へと一目散に走り、両手を合わせて謝罪するように頭を下げた。

 ゴールを渇望していた。2013年から15年まで史上初めてとなる3年連続で得点王を獲得。居心地が良かったはずの古巣を飛び出し、刺激を求めてFC東京へと新天地を求めた。だが、開幕から3戦連続ノーゴール。11日の前節・G大阪戦(吹田S)では0―2から追撃となるはずだったPKを外し、結局チームは0―3で完敗した。

 さらに試合後には悔しさのあまり脱いだユニホームをピッチに叩きつけ、さらにそのユニホームを蹴り上げるという愚行もおかしていた。その行為についてはその後、自身のブログで謝罪し一件落着となったが、何よりもゴールを決めることがおわびになる。「早く得点が欲しかった。すごい焦りもあった。名刺がわりっていうか、うれしい気持ちで(ゴール裏へ)行きました」と言葉をかみしめるように話した。

 FC東京と川崎Fとの1戦は「多摩川クラシコ」と呼ばれ、両チームのライバル意識も高い。スタンドにはFC東京サポーターから「大久保は戴いた」という横断幕が掲げられ、川崎Fサポーターからは「キミのいないカワサキを光らせる」と書かれたゲート型フラッグも登場した。試合後には昨季は2トップとして15ゴールずつを挙げたFW小林悠(29)とお互いのユニホームを交換した大久保。「ここからどんどん点を重ねていきたいと思うし、もっともっと強い集団にしてタイトルを取れるようにしたい」。J1最多記録を更新する172得点目は、大久保にとっても記憶に残る1点となった。

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2017年3月18日のニュース