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カズ 50歳14日弾!最年長ゴール記録更新 ダンスも魅せた

[ 2017年3月13日 05:30 ]

明治安田生命J2第3節   横浜FC1―0群馬 ( 2017年3月12日    ニッパツ )

<横浜FC・群馬>今季初ゴールを決めカズダンスを踊る三浦(右)
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 歴史的な50歳弾が決まった!J2横浜FCのFW三浦知良(50)が12日、ホームの群馬戦に開幕から3戦連続で先発出場。0―0で迎えた前半40分、左足を振り抜いて、決勝点となる今季初ゴールを決めた。カズの得点は昨年8月7日のC大阪戦以来約7カ月ぶりで、昨年6月19日の岐阜戦以来となる「カズダンス」も披露。自身の最年長ゴール記録を50歳14日に更新した。

 その瞬間、ゴールまでの道筋は見えた。相手GKとDFがゴールの中に入りコースをふさいでいたが、カズはわずかな隙を見逃さなかった。前半40分、イバの放ったシュートのこぼれ球に反応。ゴール左の角度のないエリアから浮いたボールに左足一閃(せん)。50歳の嗅覚と技術が凝縮された歴史的な一撃がゴールに消えた。

 「イバの近くにいれば、こぼれ球が来ると信じていた。力むとふかしたりする。力まず当てる感覚。それでも強いボールは打てる」。何千、何万とシュートを打ってきたキングの神髄だ。先月8日、左親指を負傷、4針縫った。今月3日からシュート練習を再開、調子は上向いた。同30分には代名詞のまたぎフェイントで相手DFを抜いた。「タッチ数も多くフィーリングが良かった」。ゴールの予感はあった。

 得点後、華麗なステップを踏み、腰をくねらせた。最後はゆっくりと右腕を突き上げた。「最近、カズダンスの勝率が悪くて。(踊るのを)迷ったけど皆さんが書きやすいようにね」。13〜16年はカズダンスを披露した試合で4戦3敗。だが50歳の舞はジンクスも打ち破った。以前よりスローな腕の動きには「ゆっくりの方がきれいに(写真に)写る。研究してるんだよ」と笑った。

 6年前の3月、東日本大震災の慈善試合でもカズはゴールを決め、カズダンスを披露、被災地に勇気を届けた。前日、あるサポーターから「また被災地を元気にする得点を!」と声を掛けられた。「いいニュースを届けたい。それも自分の心の中にあった」とカズ。震災直後の岩手・釜石、大槌町を訪問。がれきの山となった光景には言葉を失った。左足には鎮魂の思いも込めた。

 世界的偉業の50歳弾。それでも「FWとしては得点できたことが一番の自信になる」とカズ。世界では07年のブラジル・パライバ州選手権で1部ペリリマのペドロ・リベイラ・リマが58歳で決めたという記録もある。登り続ける頂は高いほど燃えるのが不屈のカズ魂。「年齢ではない。毎日、どういう気持ちでピッチに立ち、自分を追い込めているか、それが大事」。終わりなきキング伝説。その情熱が続く限り、華麗なステップを刻み続ける。

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