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カズ“50歳シーズン”初先発 荒ぶるキング魂 J1王者を圧倒!

[ 2017年2月5日 05:30 ]

Jリーグ・DAZN ニューイヤー・カップ 宮崎ラウンド第2日   J2横浜FC1―0鹿島 ( 2017年2月4日    KIRISHIMAハイビスカス陸上競技場 )

ゴール前で悔しがるカズ
Photo By スポニチ

 J2横浜FCのFW三浦知良(49)が今季対外試合で初先発し、45分間プレー。前線からの激しい守備でチームをけん引し、昨季のJ1年間王者で、クラブW杯2位に輝いた鹿島を1―0で撃破した。観衆も大会史上最多の6523人を集めるなど、カズ人気は健在。史上初の50歳Jリーガー誕生となる2月26日の開幕へ向け、視界良好だ。また、2日に肺がんのため死去した日本サッカー協会相談役の岡野俊一郎氏(享年85)を追悼した。

 明らかにカズの魂は荒ぶっていた。今季3試合目の実戦で初先発。しかも相手は昨季J1王者でクラブW杯2位の常勝軍団 だ。「鹿島のクオリティー、チーム力、雰囲気。練習試合というよりリーグ戦を感じられた。いい感触の45分だった」。ボールを持つだけで場内は沸き、前半32分には代名詞のまたぎフェイントを繰り出した。全く年齢を感じさせなかった。

 鹿島との力関係から言えばFWでも守勢に回るのは想定内。「レベルの高い相手に守備の連係を確認できた。ボランチを背にした時の守備、前からの守備とか。鹿島は6〜7割でやっていたと思うけど」とカズ。誰よりもボールを追い、前線からプレッシャーもかけ続けた。今季実戦はこれで3戦連続の完封。成果は結果となって表れている。

 不屈の「カズ魂」はピッチで対峙(たいじ)した鹿島の選手にも伝わっていた。前半31分にはMF小笠原に激しくチャージ、2人でピッチに倒れ込んだ。試合後、カズが「あれはファウルじゃないよ。でも小笠原もうれしそうだった」と笑えば、小笠原は「カズさんに“頑張れ”って言われてる気がした」と話したほどだ。

 前を向けばDFラインとの駆け引きを続け、守勢の時も声を張りチームを鼓舞。日本代表のDF昌子は「一番声を出してた。いいモチベーションを保てていた」と舌を巻いた。神戸で育った小学生時代、昌子はカズの通うカフェの前を通るだけで興奮していたという。カズの存在感が王者をも圧倒した格好だ。

 宮崎ラウンドを争う鹿島、福岡、長崎は監督が同い年でカズは「尊敬します」と笑う。試合前の整列直前まで体幹トレを続け、一切の妥協がないカズはピッチの上で戦い続けている。15分、30分、45分と実戦3戦目で出場時間も順調に延びてきた。次は8日、清武の復帰したC大阪戦に出場予定だ。「行けるところまで行くよ」。50歳の誕生日に迎える2・26開幕戦へ、キングが加速してきた。

 ▼カズ最近のプレシーズン

 ☆16年 2月9日のC大阪との練習試合(宮崎)が初戦。右でん部を痛めた15年10月以来の実戦で復調をアピール。視察したリオ五輪代表の手倉森監督に「いつでも(OA枠で)呼んで!」と直談判した。

 ☆15年 1月17日の阪神・淡路大震災20年チャリティーマッチ(神戸)で2得点。「1点目のカズダンスは10年以降のバージョン。2点目のはヴェルディ時代の20代にやってたヤツ」と新旧カズダンスを披露。

 ☆14年 1月29日の浦安SC(関東1部)との練習試合(横浜)で先発して30分間出場。当時41歳でソチ五輪に出場したジャンプの葛西紀明を「シンパシーを感じる。尊敬します」と絶賛。

 ☆12年 1月15日、フットサルFリーグにエスポラーダ北海道でデビュー。府中戦(札幌)に先発し、チーム最多5本のシュートを放った。フットサル日本代表ミゲル監督のW杯メンバー入り示唆に「サッカー人として、とても魅力を感じる」。

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