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本田 若手よ海渡れ!日本の未来思い、あえて“苦言”

[ 2016年7月6日 05:30 ]

「デジタルガレージ ファーストペンギンアワード」の初代受賞者として授賞式に参加した日本代表FW本田(中央)

 ACミランのFW本田圭佑(30)が5日、都内で行われた「第1回デジタルガレージ ファーストペンギンアワード」授賞式に初代受賞者として出席した。サッカー選手の枠を超えて活躍する功績を称えられ、賞金5000万円が贈られた。本田はアーセナル移籍を決めたFW浅野拓磨(21=広島)の決断を評価した一方で海外挑戦に消極的な日本の若手に苦言を呈した。本田は自身が保有するオーストリア2部ホルンとFC今治(四国リーグ)の親善試合(6日)を視察するためホルンに向かう。

 数々の壁を乗り越えてきたからこそ実感がこもっていた。アーセナル移籍が決まった浅野へコメントを求められた本田は「迷う必要のない選択だと思います」と言い切った。「レギュラーで出られないとかレンタルで出されるだとか。そう言う人は多いと思いますが、それを含めて浅野が自分のキャリアを欧州で築いていくでしょう」。荒波にもまれるであろう後輩の選択を全面的に称え「アーセナルでのチャンスを自分の手でつかみ取ってほしい」と期待した。

 「挑戦」は自らの人生哲学そのもの。インターネットサービスを扱うデジタルガレージ社が新設した「ファーストペンギンアワード」初代受賞者に選ばれたのも強い意志で名門への道を切り開いてきたからだ。VVVフェンロでのオランダ2部降格からCSKAモスクワ(ロシア)移籍を経てACミランまでたどり着いた。失敗を恐れずに突き進んだからこそ30歳になった今、思うことがある。「日本の若手に“(海外に)移籍しろ!”と言っているんですけど移籍しないんです、いつまでも。居心地が日本の方がいいんでね」。イングランド強豪の門を叩く浅野、アウクスブルクで2度目のドイツ挑戦を決めた宇佐美の決断が頼もしい。より多くの若手が続いてほしいからこそ、あえての“苦言”だった。

 本田はオーストリア2部ホルンの経営権を持ち、世界中でサッカー教室を開催。サッカー選手兼事業家、さらに教育支援に熱心な活動家として開拓者の道を進むが“本業”は18年W杯ロシア大会が節目になる。「年齢から見ても逆に次の次(のW杯)に行く方が意外だと思う。普通に考えて次のW杯はおそらく最後になる」。6月に三十路を迎え、代表引退の可能性にも言及。キャリアの円熟期を迎えた本田が、日本サッカーの未来のためにも「挑戦」の重要性を訴え続ける。

 ▽ファーストペンギン 群れの中で餌を取るために最初に海に飛び込むペンギンを指し、リスクを負って挑戦する先駆者を意味する。NHKの連続テレビ小説「あさが来た」でディーン・フジオカが演じた五代が、主人公のあさ(波瑠)を「あなたは最初に海に飛び込む勇敢な“ファーストペンギン”だ」と呼んだ。

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