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野津田 リオアピール弾!手倉森監督の言葉通り“したたか”体現

[ 2016年4月14日 05:30 ]

<U23日本代表候補・清水>後半、鎌田のパスを受けゴールを決めるU―23日本代表候補・野津田(左)

 リオデジャネイロ五輪に出場するU―23日本代表が13日、静岡市内での候補合宿最終日にJ2清水と練習試合(45分×2)を行い、1―1で引き分けた。昨年11月以来の招集となったMF野津田岳人(21=新潟)が、後半25分に相手の隙を突き同点弾をマーク。ケガの影響でU―23アジア選手権出場を逃したレフティーが、本大会のメンバー18人に入るため猛アピールした。

 この45分間に懸けていた。1点ビハインドの後半開始から右MFに入った野津田が、4分に早速、左足でロングシュートを放つ。これは枠を捉えることはできなかったが、迎えた25分だった。敵陣でFW富樫がファウルを受けると、次の瞬間に最終ラインの裏へと走りだした。「隙があったし、そこを突こうと思った」。MF鎌田の素早いリスタートからパスを受け復活を印象づける同点弾を左足で流し込んだ。

 「結果を出さないと次はない。その覚悟で臨みました」。手倉森ジャパンの立ち上げ時は常連だったが、昨年12月のクラブW杯で右膝内側側副じん帯を損傷して、五輪切符をかけたU―23アジア選手権への出場を逃した。3月には広島から新潟へ移籍。ジュニアユースから育ったクラブに別れを告げたのは、本大会メンバー入りへ出場機会を増やすための決断だった。

 昨年11月以来の招集となり「ゴールへの飢えがあった」と誰よりも結果にこだわっていた。前夜に宿舎で行われたミーティング。手倉森監督から「大人のサッカー、したたかなサッカーをやろう」という言葉が伝えられた。それを体現するかのような抜け目のない一撃。指揮官は「世界を相手には隙を突かないと勝てない。その姿勢が彼にはあった。スコア(得点)を収めるあたり“持ってるな”と思う」と賛辞を惜しまなかった。

 本大会に出場できるのは18人。最大3人のオーバーエージ枠を活用すれば、より狭き門となる。「まだまだやるべきことはたくさんあるけど、少しはアピールになったかなと思う」。苦しみを味わったレフティーが、リオへの再スタートを切った。

 ◆野津田 岳人(のつだ・がくと)1994年(平6)6月6日生まれ、広島市出身の21歳。シーガル広島でサッカーを始め、広島ジュニアユース、同ユースと進み、2種登録だった12年にJリーグデビュー。13年にトップ昇格。16年4月から新潟に期限付きで移籍。J1通算62試合10得点。U―15から各年代別代表に選出。1メートル75、70キロ。利き足は左。

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