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“逆輸入”のSB際 ベール脱ぐ!U23メキシコ戦先発濃厚

[ 2016年3月25日 08:25 ]

メキシコ戦に向けて調整するファンウェルメスケルケン(中央)ら日本イレブン

 ポルトガル遠征中のU―23日本代表は25日、U―23メキシコ代表と親善試合を行う。初招集となったDFファンウェルメスケルケン際(21)は23日の練習で存在感を示し初先発が濃厚。FC東京のDF室屋成(21)らリオデジャネイロ五輪アジア最終予選に出場したサイドバック(SB)陣は4人中3人がケガで離脱中。チームの救世主になれるのか。逆輸入SBがいよいよベールを脱ぐ。

 初登場のチャンスが刻一刻と近づいてくる。ストライキによる航空便欠航などでチームの到着が遅れ、23日に初めて行われた全体練習。10対10(フリーマン1人)の実戦練習で際は主力組の右サイドバックに入った。年代別代表でも初めての日本代表。「誇りと責任を感じます」。目指すのはリオ五輪本大会で日の丸を背負うこと。生き残りのためのアピールを誓う。

 オランダ人の父と日本人の母を持つハーフ。オランダで生まれたが、2歳の時、日本にやってきた。甲府の下部組織などでプレー。しかし、高校3年で筑波大一本に絞っていた受験に失敗し父の母国へ行くことを決断した。オランダでは2部を中心に10クラブ以上に自身を売り込むために編集した映像をメールで送付するなど就職活動。12歳の時に練習参加したことのあるドルトレヒト幹部の目に留まり、13年6月にアマチュア契約を結んだ。15年6月にプロ契約を勝ち取り活躍が日本協会の目に留まった。

 高校時代にフットサルシューズを履き、土のグラウンドで50メートルを5秒9で走ったというスピードが持ち味。ボランチやサイドMFもこなすユーティリティー性も持つ。初めて実際にプレーを見た手倉森監督は「キックにパンチ力があるし、一つ先(のプレー)まで見えている」と評価した。

 ほぼ全員が初対面の中、宿舎の食事会場で自己紹介も済ませた。「名前をいじってください」と話しファンウェルメスケルケンという長い姓をとっかかりにチームに溶け込む考え。あいさつは済んだ。あとは強豪メキシコを相手に実力を示す。

 ◆ファンウェルメスケルケン際(ふぁんうぇるめすけるけん・さい)1994年(平6)6月28日、オランダ・マーストリヒトで生まれ2歳の時、帰国し山梨県に住む。甲府の下部組織でプレーし、高校卒業後、オランダに渡り13年夏にドルトレヒトとアマチュア契約。15年6月にプロ契約。1メートル78、72キロ。利き足は右。

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2016年3月25日のニュース