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新布陣で5発大勝!多彩オプションがハリル監督の収穫

[ 2016年3月25日 07:52 ]

快勝にスタッフを抱きしめ喜ぶハリルホジッチ監督

W杯アジア2次予選E組 日本5―0アフガニスタン

(3月24日 埼玉ス)
 見慣れない光景だった。0―0の前半29分、相手選手が足を痛めて試合が中断すると、センターサークルに日本の11人が集合。異例の即席ミーティングが実施された。長谷部が「点は入っていないけど悪くないので続けよう」と声を掛け、攻撃パターンなどを確認。ベンチ前のハリルホジッチ監督は「監督が全てのアクションをデザインできるわけではない。選手には選手同士で話す権利がある」と頼もしそうにイレブンを見つめていた。

 指揮官は基本布陣の4―2―3―1ではなく、中盤をダイヤモンド型にする4―4―2の新布陣を採用。所属クラブの活動で合流が遅れた本田、香川の先発起用を見送り「初めてのオーガナイズ。2、3人の合流が遅れたこともあり、いろんな要素を考えて(布陣変更を)決めた」と明かした。序盤は選手がパスコースを探して、もたつく場面が目立ったが、徐々にリズムをつかみ、本田を温存したままシュート27本、5得点の大勝。試合までの3日間でチーム、グループ、個別など計50回近くのミーティングを敢行した成果だった。

 研究対象はサッカーだけではない。自身が戦うフィールドを知るため、アジアの歴史や文化を勉強中。最近は79年に中国とベトナムの間で起きた中越戦争が題材の書籍を読破した。自身もボスニア紛争を経験。財産を失うなどしてサッカー観が変わっただけに、歴史背景を学ぶことが指導の幅を広げると考えている。

 FIFAランク151位の格下相手とはいえ、戦術の幅が広がったことは収穫。就任後、初招集した身長1メートル94のハーフナーを後半27分から投入し、早いタイミングでクロスを入れる攻撃オプションも試した。大量得点&無失点の目標も達成したが「パーフェクトだったわけではない。もっとプレースピードを上げ、もっと点を取ってほしかった」と満足していない。9月に始まる最終予選、2年後のW杯ロシア大会に向け“引き出し”を増やしていく。

 ▼FW原口 1回目から(新しい布陣で)そんなにパーフェクトにできるわけはない。いろいろ経験していけばいい。勝ったのが一番。

 ▼MF長谷部 いつもと違うフォーメーションも試し、テストの意味もあった。監督からはピッチの中で臨機応変にやれと言われ、きょうに関しては思ったよりできていた。

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