×

香川が澤になる!伝説の10番へ「そういう存在になれるように」

[ 2015年6月16日 06:31 ]

練習でシュートを放つ香川

W杯アジア2次予選 日本―シンガポール

(6月16日 埼玉)
 サッカー日本代表は16日、埼玉スタジアムで行われる18年W杯ロシア大会アジア2次予選E組初戦でシンガポールと対戦。15日の前日練習では先発出場が確実なMF香川真司(26=ドルトムント)が決意を吐露。なでしこジャパンで同じ背番号10を背負うMF澤穂希(36)のような選手になることを誓うとともに3年後 のW杯へのスタートとなる試合での必勝を期した。
【日本代表メンバー W杯アジア2次予選】

 10番。サッカーにおいていかに特別な番号であるかは、香川も理解している。11年1月のアジア杯カタール大会で初めて背負ってから4年がたった。しかし「結果としては物足りない」と回顧する。11年アジア杯は優勝したが、自身はケガで離脱した。14年W杯ブラジル大会では1勝もできずに敗退した。今年のアジア杯オーストラリア大会は連覇を逃した。チームの中心的役割を担うべき番号を背負いながら、好結果をもたらせなかったという思いが強い。

 理想像としてなでしこジャパンで同じ番号を背負う澤の姿を描く。香川はこの日の練習後、「澤さんの実績、経験、結果もそうですが、僕とは比較にならない(ほど凄い)」と謙遜しながら「そういう存在になれるように」と話した。澤は現在、6大会連続となるW杯カナダ大会に出場中。11年ドイツ大会では主将としてチームを初優勝に導くとともに、得点女王、MVPを獲得。その年のFIFA女子最優秀選手も受賞した。

 その圧倒的な実績を、香川 は一つの目標にする。そのためにも、W杯へのスタートとなるシンガポール戦は結果が求められる。くしくも同日(日本時間17日)に、なでしこジャパンは1次リーグ最終戦のエクアドル戦があり、10番のゴール競演もあり得る。

 香川は左インサイドハーフでの先発が濃厚。この日のミニゲームでは2列目から何度も前線へ飛び出すなど、ゴールを積極的に狙う姿勢を鮮明にした。「裏への意識を求められている。(前線で)数的優位をつくりたい。立ち上がりが大事になる。前半のうちにゴールを取れれば」と恐らく引いて守ってくる相手に対し、序盤から柴崎とともに積極的に攻撃に絡んでいく考えだ。

 無敗の地で躍動する。日本代表はこれまでW杯予選14試合を埼玉スタジアムで戦い、12勝2分けと圧倒的な勝率を誇る。しかし、香川は12年6月8日のW杯ブラジル大会アジア最終予選のヨルダン戦での1ゴールのみと決して相性は良くない。

 「W杯で勝つためには、今のままではいけない」

 殻を破り澤のような伝説的10番になるために。香川の新たな戦いが始まる。

【香川のW杯アジア予選】

 ≪南アフリカ大会予選≫ 08年6月2日、日産スタジアムで行われた3次予選オマーン戦で後半27分に途中投入され初出場。19歳77日での予選デビューは80年12月のシンガポール戦に出場した風間八宏の19歳67日に次いで当時は史上2番目の若さだった。3次予選6試合中2試合、最終予選8試合中1試合に出場したが無得点。

 ≪ブラジル大会予選≫ 11年10月11日、長居スタジアムでの3次予選タジキスタン戦で、前半41分に中村憲剛のスルーパスに反応して右足でW杯予選待望の初ゴール。その試合で2得点するなど主力として出場を続け、3次予選6試合のうち5試合に出場。最終予選は8試合中6試合に出場し、2ゴールを挙げた。

続きを表示

この記事のフォト

2015年6月16日のニュース