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澤 ラモス抜く日本最年長弾!なでしこ367日ぶり

[ 2015年5月25日 05:30 ]

<日本対ニュージーランド>前半24分、澤がゴールを決め、イレブンに祝福される

MS&ADなでしこカップ2015 日本1―0ニュージーランド

(5月24日 丸亀)
 6月6日開幕のW杯カナダ大会に臨むなでしこジャパンは24日、香川県丸亀市でニュージーランドとの国際親善試合を行い、1―0で勝利した。前半24分に36歳260日と日本女子の最年長出場を果たしたMF澤穂希(INAC神戸)が左FKを合わせて決勝ゴール。ラモス瑠偉(58=現J2岐阜監督)が持つ36歳85日を超え日本男女を通じて代表での最年長得点となった。仮想スイスの一戦でレジェンドが輝きを放ち、W杯連覇へ向けて手応えをつかんだ。
【試合結果】

 いくらブランクがあろうとも、澤が一瞬のチャンスを逃すはずがなかった。前半24分、宮間が左CKを蹴り込む。背番号10はフェイントで守備陣をかわし、ゴール前へ飛び込む。ドンピシャで来たボールに右足を出すと、角度を変えたボールはネットに吸い込まれた。

 「最後の最後に蹴り分けてくれた。当てるだけだった。久しぶりの代表戦でゴールという結果が出せてうれしかった」

 言葉が弾むのも当然だ。36歳260日で決めた一発はラモス瑠偉(36歳85日)の記録を更新する男女通じての日本代表最年長ゴール。しかも昨年5月のアジア杯以来となる364日ぶりの代表ピッチで367日ぶりの決勝ゴールを決めたのだから、佐々木監督も「“澤の神”が舞い降りたね」とうなるしかなかった。

 昨年5月のアジア杯以降、代表から遠ざかった。「代表が全てじゃない。輝ける場所はほかにもある。周りが心配するほどショックじゃない」となでしこへの思いも薄れかけた。だが一つだけ気がかりがあった。「何でも一人で背負う(宮間)あやのことが心配。そばにいたら助けてあげられるんだけどね」。6歳年下の宮間の心情を思い、招集から漏れている間も連絡を取り合った。

 絆はピッチ上だけではない。それぞれの自宅がある岡山や神戸で食事をしながら語り合う。ある日、澤が自宅で手料理を振る舞った時は「あやが凄い勢いでパスタを食べて、慌ててもう1品作った」というほど盛り上がった。だから、W杯メンバーに入った直後も「うれしくて、あやに連絡した」。この日も、ハグをしてから定位置についた。ゴールを決めるまでの3本のCKも全て自分に合わせてくれたから、絶対に決めたかった。

 W杯初戦で当たる仮想スイスと位置づけたニュージーランド戦。得点だけではなく、幾度となくスライディングをしてボール奪取を試みた。90分間のフル出場に「自信になる」とうなずいた。

 イタリア戦を経て臨む6度目のW杯は最後と決めている。「今回は自分のためにやる。ひいてはそれがチームのためになる」。澤が輝けば、なでしこも輝く。

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