×

チェルシーCL3季ぶりVへ!“大躍進”アザールが主役狙う

[ 2015年2月17日 08:45 ]

CL決勝トーナメントで主役を狙うチェルシーのアザール(AP)

 欧州チャンピオンズリーグ(CL)は1次リーグ突破の16チームによる決勝トーナメント1回戦が17日からスタート。3季ぶりの優勝を目指すチェルシーは、昨季準々決勝でアウェーゴール規定の末に退けたパリSGと再戦する。プレミアリーグ首位など好調なチームで目立つのがベルギー代表MFエデン・アザール(24)の充実ぶり。今季から背番号10をつけるサイドアタッカーが、決勝トーナメントの主役を狙う。

【CL決勝トーナメント】

 チェルシーは12日、アザールと新たに5年半契約を結んだと発表した。昨夏にはパリSG、今季もRマドリードへの移籍が噂された中、20年までの残留が決まったアザールは「サポーターの後押しに応えるためにもタイトルを多く勝ち取りたい」と決意表明。英メディアは週給20万ポンド(約3660万円)と報じ、プレミアリーグ6位タイの高給取りに“躍進”した。

 その価値に異論が出ないほど今季の活躍は顕著だ。リーグ戦9得点はプレミア9位だが、貢献度はデータが示している。統計専門サイト「フースコアドドットコム」によると、チャンスをつくった回数(67)、ドリブル成功数(112)、ファウルを受けた回数(74)、アタッキングサード(ピッチを3分割した敵陣エリア)でのパス成功数(714)など6部門でプレミア1位(11日現在)。ファウルについてはモウリーニョ監督が「相手に毎試合痛めつけられている。審判がアザールを守らないからだ」と批判するほどで、局面を打開する能力は際立っている。

 成長のきっかけとなったのが、昨季の欧州CL準決勝・Aマドリード戦だ。ホームでの第2戦に1―3と敗れた後、アザールは「カウンターばかり狙っていた」と守備重視の戦術を批判。これにモウリーニョ監督が「アザールのような、チームのために自分を犠牲にしないタイプの選手がそう言うのは驚かない。今季の成長を期待していただけに残念」と返したため移籍の噂につながった。

 しかし、指揮官の毒舌は師弟の信頼関係をさらに深める結果となった。「悪い内容だと、彼はメディアの前で“きょうは10人での試合だった”と僕をやり玉に挙げる。でも、その後にちゃんと話し合うんだ。他の監督なら僕をかばって終わり。僕を成長させてくれる世界一の監督だ」。ベルギーが8強入りしたW杯ブラジル大会は期待外れだったものの、背番号10を背負った今季は試合中に消えている時間帯が減り、守備にも奔走。モウリーニョ監督も大勝したCL1次リーグのシャルケ戦(昨年11月25日)を例に「5―0の後半43分でも守備に走っていた」と成長を認めている。

 C・ロナウドとメッシが7年間独占するFIFAバロンドールの“次期候補”の声も出始めた24歳。契約延長に際し、モウリーニョ監督は「世界最高の選手になれる」と賛辞を贈っている。カウンターに不可欠な緩急自在のドリブル、短い助走からGKの逆を突くPKは、決勝トーナメントで特に威力を発揮しそうだ。

 ◆エデン・アザール 1991年1月7日、ベルギー中西部ラ・ルビエール生まれの24歳。05年に14歳でリール(フランス)の下部組織入団。07年にトップチームへ昇格し、10~11、11~12年シーズンに2季連続でフランスリーグMVP。12年に5年契約でチェルシーへ移籍しプレミア通算94試合32得点。今季から背番号を17から10に変更した。08年に初選出されたベルギー代表はW杯ブラジル大会出場など53試合6得点。1メートル72、72キロ。家族はナターシャ夫人と2男。

続きを表示

2015年2月17日のニュース