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【ザックからの伝言1】“後継”アギーレへ 若手との融合に進化期待

[ 2014年9月1日 11:05 ]

W杯後初のインタビューに応じ、アギーレジャパンにエールを送ったザッケローニ前日本代表監督

 14年W杯ブラジル大会で日本代表を率いたアルベルト・ザッケローニ前監督(61)が、スポニチ本紙の独占インタビューに応じ、18年W杯ロシア大会へ向け、1日に本格始動するアギーレジャパンにエールを送った。日本代表を4年間にわたって率いたイタリア人指揮官がW杯後に日本のメディアに対して口を開くのは今回が初。激闘から2カ月たった今、あらためて大舞台を振り返り、今後の日本サッカーについて言及した。

 1日にアギーレジャパンが本格始動する。ブラジル大会まで4年間、日本代表を指揮したザッケローニ氏は、ロシアまで新たな一歩を踏み出す新生日本代表に期待の言葉と助言を送った。

 「(アギーレ新監督とは)直接会ったことはない。でも、日本協会が彼を後任に選んだということは、それは私の持つサッカー哲学と、彼のそれが似ているということを意味する。日本ではDFラインを高く保つ監督を、攻撃的な監督だと言う。でも、私はそれは攻守のバランスの取れたサッカーだと思う。彼(アギーレ新監督)もそうだと思う」

 アギーレ監督も4―3―3システムを基本ベースに攻守のバランスが取れたサッカーを目指すと公言。武藤や皆川、坂井といった若手も新たに融合した。ザックジャパンからのさらなる進化が期待される中、前指揮官は日本代表に対し、「臆病」という言葉を使い、メンタルの弱さを克服することの重要性を説いた。

 今でも、悔やんでいるのがW杯初戦のコートジボワール戦だ。10年8月に発足したザックジャパンは11年1月のアジア杯制覇を皮切りに順調に成長。本田、香川、長友ら欧州ビッグクラブの面々が名を連ね、本大会ではかつてないほどの期待を寄せられた。だがフタを開けたら、1分け2敗のグループ最下位で1次リーグ敗退。期待を大きく裏切った。

 「その原因はコートジボワール戦で、既に克服したと思っていた問題が再び顔を出したことにある。その欠点とは、いわゆる日本よりサッカーの歴史が古いチームに対して、戦う前から臆病になってしまうということだ」

 イタリア人指揮官は中でも、左太腿の負傷からぶっつけ本番でトップ下で出場したヤヤ・トゥーレ(マンチェスターC)に対する恐怖が大きかったと嘆く。

 「我々はボールよりヤヤ・トゥーレのポジションに気を取られすぎた。DFラインをハーフラインの高さまで保ちながら、前線からプレスをかけ、速いコンビネーションプレーで相手DF陣を崩す。それこそが日本の強みだった。だが、あの試合では2人のボランチが、ヤヤ・トゥーレに対する怖さで後ろに下がってしまっていた」

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2014年9月1日のニュース