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W杯観戦 蚊&ハエも要注意 ダイブ厳禁!川に“殺人ナマズ”いる

[ 2014年6月2日 10:15 ]

 サッカーW杯の開幕まで、10日となった。治安面の不安が報じられているブラジルだが、警戒すべきは犯罪だけではない。同国は危険生物の宝庫で、中でも黄熱病などの伝染病を運ぶ蚊やハエなど、虫には要注意だ。また、人間の体を食い破る“殺人ナマズ”カンディルにも細心の注意が必要。日本代表の試合に興奮して、川にダイブするなど厳禁だ。

 W杯を目前に控え、ブラジルでの暴動やストのニュースが連日のように報道されている。だが渡航するサポーターにとって最も怖いのは人間ではない。虫や魚かもしれないのだ。

 W杯の試合が行われる都市部で、最も注意が必要なのは蚊だ。日本の夏の風物詩でもあるが、ブラジルの蚊は伝染病の“運び屋”。中でも黄熱病は死に至ることもある。日本の厚生労働省は、渡航者に予防接種を受けるよう呼び掛けている。

 世界保健機関(WHO)は、ブラジルのほぼ全土を予防接種推奨地域に指定。W杯で日本代表の第3戦が行われるクイアバが推奨地域に含まれている。

 蚊はデング熱やマラリアも媒介。さらには他の虫の卵まで運ぶことがある。人体に寄生するヒトヒフバエが蚊に卵を産み、その蚊に刺されることで、卵を注入される恐れがある。卵は体内でウジ虫となり、成長すると、ウジ虫を取り除くため病院での治療が必要になる。

 蚊は二酸化炭素を感知して集まるといわれる。多くの人で埋まるスタジアムには蚊も集まる。危険生物に詳しいプロ・ナチュラリストの佐々木洋さん(52)は「まず刺されないことが大事。ブラジルは暑いでしょうが、長袖と長ズボン、靴下で防護して」と注意を促す。

 カンディルにも気を付けたい。カンディルは体長10~20センチの肉食淡水ナマズの総称で、他の動物の肛門など、穴という穴に入り込むどう猛な種類もいる。アンモニアに反応するため、尿道に入り込むこともある。川で小便をした地元男性の尿管に侵入してきたケースも報告されている。現地ではピラニアよりも恐れられている魚だ。

 カンディルの主な棲息地は熱帯雨林地帯。観光クルーズなどでは、うっかり川に落ちないよう注意したい。都市部の河川にいる可能性もゼロではなく、佐々木氏は「試合の結果に興奮して、川に飛び込んだりしないようにしてください」と話した。ただ「十分に注意を払えば、必要以上に恐れることはない」とも付け加えた。

 ≪水族館や熱帯魚店で人気≫カンディルの一種「ブルーカンディル」は、日本の水族館や熱帯魚店でも人気。流線形の体形で、薄い皮膚に覆われた目が不気味だ。東京・中野の熱帯魚店「まっかちん」の店員によると「エサは肉を好む。ぐるぐる回って、引きちぎるような食べ方が特徴的」。ちなみに店員は、かまれたことはないという。

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2014年6月2日のニュース