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15戦全勝ラッキー男だ!石原 2位浮上V弾で代表入りアピール

[ 2014年4月30日 05:30 ]

<鳥栖・広島>後半37分、勝ち越しゴールを決め両手を上げ喜ぶ、広島FW石原直樹

 W杯メンバー入りへアピールだ。J1第10節は9試合が行われ、広島は日本代表候補のFW石原直樹(29)のゴールなどで鳥栖を2―1で下し、勝ち点20で2位に浮上した。鹿島は本拠地で清水を2―1で破り、首位をキープした。後半34分に日本代表候補DF昌子源(21)が決勝アシストをマーク。当落線上の選手たちが5月12日のメンバー発表へ向けて気迫あふれるプレーを見せた。

【試合結果 順位表】

 タフで勝負強い男が勝利に導いた。1―1の後半37分、相手DFのクリアミスがゴール前に詰めていた石原の眼前にこぼれた。これに素早く反応した。「相手のミスだったけど、あの場所にいられたのがよかった」。冷静に左足を振り抜き、ゴール左隅に突き刺した。

 ACLとの過密日程を考慮して、エースの佐藤はベンチスタート。代わりに石原が1トップに入ったが、前半は一本もシュートを打てなかった。「前半は自分たちにミスが多くて反省ばかりだった」。“らしさ”を取り戻したのは後半15分からだった。佐藤が1トップに入ったことでポジションを1つ下げると、広島本来の流動的なサッカーがよみがえった。そしてチームを2位に引き上げる決勝弾。「自分のシュートがゴールに結びついてよかった」。6日の名古屋戦以来、4試合ぶりの得点に胸を張った。

 無名の存在からのし上がってきた。高校卒業後の03年に湘南入りし、J2で6年間プレー。J1デビューは大宮に移籍した09年だった。各年代の日本代表に選ばれた経験もない。今月上旬の日本代表候補合宿に追加招集されたのも、小林悠(川崎F)の負傷によるものだった。W杯メンバーに近い存在とは言えないが、誰にも負けない勝負強さとタフさを備えている。

 12年の広島移籍後は、ゴールを決めたリーグ戦15試合は全勝。しかも計20点中15点は勝負どころの後半に挙げている。今季はACLの1試合を除いて公式戦全試合で先発。リーグ戦は広島のフィールドプレーヤーでただ一人フル出場を続けている。「疲れが出てくることもあると思うが、やるべきことを精いっぱいやる」と過密日程にも涼しい顔だ。

 日本代表のザッケローニ監督は終盤に起用する切り札を求めている。試合終盤に結果を出し続けている石原はうってつけの存在と言える。この勝負強さとスタミナ、放っておくのはもったいない。

 ▽石原 直樹(いしはら・なおき)1984年(昭59)8月14日、群馬県生まれの29歳。高崎経大付高から03年にJ2湘南入り。08年に18得点をマークし、09年にJ1大宮へ移籍。12年に広島へ移籍し、昨季10得点を挙げるなどリーグ2連覇に貢献した。J1通算165試合40得点。1メートル73、62キロ。血液型A。背番号9。

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2014年4月30日のニュース