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19歳南野“2階級特進”ザックJのW杯ジョーカーだ!

[ 2014年4月4日 05:30 ]

日本代表候補合宿に選出されたC大阪の南野

 ザックジャパン期待の19歳がついに初招集された。日本サッカー協会は3日、千葉県内で行われる日本代表候補合宿(7~9日)のメンバーを発表し、C大阪のFW南野拓実(19)を初選出した。W杯メンバー発表は5月12日に決定。香川真司(25=マンチェスターU)に匹敵する潜在能力を持つアタッカーが、国内組限定の合宿で結果を残し、目標とするW杯ブラジル大会の出場を狙う。

【日本代表候補メンバー】

 日本のジョーカーとなりうるホープがついにザックジャパンに選出された。ACL・ブリラム戦を終えてタイから帰国した南野は、「選出されただけで何もつかんではいない。力を100%出すことだけを考える」と力強く語った。

 ただ、A代表招集はタイミングの問題だった。ザッケローニ監督は以前に「いい若手がいる。見守りたい」と南野を想定させる話をしていたこともある。実際、今季2度も大阪に足を運び、プレーを視察した。ザッケローニ監督が思い描くのは90年のイタリア大会で得点王に輝いた元イタリア代表FWスキラッチの例だ。スキラッチは代表経験はわずか1試合ながら、W杯メンバー入りすると勢いに乗って6得点。3位となったチームの救世主となった。伸び盛りの若手はサプライズ候補の可能性は十分。原専務理事は「代表に入れるかどうか見るために呼んでいる。そうなると当然、入ってくる存在」と指揮官の思いを代弁した。

 南野は常に各年代の代表に選ばれ、現在はU―19代表の絶対的なエース。ゴールへ向かう強い意識が最大の特長で、トップスピードに乗りながら正確なドリブルやシュートを繰り出す。守備意識も高い。3年間にわたり南野を指導したC大阪U―18の大熊監督は香川のC大阪1年目の時と比べて「同じ年代では完成度では拓実の方が高い」と太鼓判を押している。

 ユース時代からすでに欧州でも存在は知れ渡っていた。C大阪U―18が毎年行う欧州遠征ではオランダやフランス、ドイツで試合を行い、その度に各クラブのスカウト陣が集結。高1時にはフランス1部のモナコから声を掛けられて練習に参加した経験もある。

 昨季、トップ昇格してからはレギュラーを務め、W杯出場への思いも口に出してきた。この日は「レイソル戦(6日)がある。いい準備をしたい」とブラジルの4文字を封印したが、目標が近づいたからこそ今はその言葉を軽々と口に出すつもりはない。メンバー発表前の最後の合宿は3日間。底知れぬ才能をまずはザッケローニ監督の前でアピールする。

 ▽南野 拓実(みなみの・たくみ)1995年(平7)1月16日、大阪府生まれの19歳。ゼッセル熊取FCからC大阪U―15、同U―18を経て昨年にトップ昇格し、高卒ルーキーとしてはクラブ史上初めて開幕戦先発。今季はリーグ戦全てに先発出場。日本代表歴はU―15、16、17、18の各年代。1メートル74、67キロ。利き足は右。好きな芸能人は女優の本田翼。

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2014年4月4日のニュース