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ローマは13年にして成る!?名門復活へクラブ新の開幕6連勝

[ 2013年10月1日 06:00 ]

ボーロニャ戦でゴールを決めトッティ(左)から祝福を受けるローマDFベナティア(中央)

 セリエAは29日、第6節の7試合を行い、ローマがホームでボローニャに5―0と大勝した。クラブ記録となる開幕からの連勝を6に伸ばし、首位をキープ。昨季6位に終わるなど最近3季連続で欧州カップ戦出場を逃していたチームが、6試合で17得点を挙げ失点もわずか1という快進撃。中田英寿氏が所属していた00~01年シーズン以来13季ぶりの優勝を狙う名門の復活劇に迫った。

【セリエA動画 順位表】

 今季の好調ぶりを象徴する大勝だった。新加入のFWジェルビーニョの2ゴールなどで今季最多の5得点。同じく新加入のブラジル代表DFマイコンが負傷欠場しても勢いは止まらなかった。クラブ記録を更新する開幕6連勝の裏には、主に3つの理由があった。

 (1)王子健在 9月27日で37歳の誕生日を迎えた主将の元イタリア代表トッティが元気だ。「ローマへの愛情は言い尽くせない」と語るクラブ生え抜きの“王子”は、06年に引退した元同僚の中田英寿氏より1歳年上だが衰えを見せない。この日もフル出場して5点中2点を演出した。今季全試合に出場(先発5試合)してまだ1得点だが、ゲームメーカーとしてチャンスをつくり6アシスト。昨季、体力トレーニングに定評のあるゼーマン監督の下で体を絞ったおかげで、運動量が復活。先月19日には16年まで契約を2年延長した。「シーズンは長いが、オレたちは欧州カップ戦に出場しない点では有利だ」と00~01年以来のリーグ制覇に意欲を見せる。

 (2)補強の成功 今オフはMFラメラ、DFマルキーニョスらの“売却益”を使って、移籍金で総額6700万ユーロ(約88億円)もの補強を行った。目玉はオランダ代表の主将を務めるストロートマン。マンチェスターUも獲得を狙った23歳は「中盤は全部できる」と宣言した通り攻守両面で貢献。デロッシ、ピャニッチと組む中盤はリーグ最高との呼び声も高く、守備力も大幅に向上した。守備範囲の広いDFベナティアの加入も大きく、昨季はリーグで下から4番目の56失点を喫したが、今季は6試合でわずか1失点だ。

 (3)新監督の手腕 今季就任したフランス人のガルシア監督は、攻撃的スタイルでリールを10~11年にフランスリーグ優勝に導いた。ベルギー代表アザール(現チェルシー)を育てるなど若手育成にも定評がある。人心掌握術でも手腕を発揮。選手個々との対話を重視する一方、ルール違反には罰金が科せられるよう規律も設けるなど“アメとムチ”でチームをまとめている。

 「目標は欧州(カップ戦)に復帰すること」というガルシア監督は、開幕連勝のクラブ新記録にも「今ではなく、シーズン最後に新たな歴史をつくりたい」と先を見据える。次節は5日、インテル・ミラノと対戦。今季好調で4位につける強豪に勝てば、勢いは本物と言えそうだ。

 ▽ローマ 1927年創設。リーグ優勝3回(41~42年、82~83年、00~01年)、イタリア杯優勝9回。80年代にブラジル代表MFファルカンらを擁して黄金期を築き、84年に欧州チャンピオンズ杯(現欧州CL)で決勝進出を果たしたがリバプールに1―1から決勝初となるPK戦(2―4)で敗れた。本拠は60年ローマ五輪のメーン会場となったオリンピコ(7万634人収容)。クラブカラーは黄色と赤。

 ▽ローマの00~01年リーグ優勝 就任2年目のカペッロ監督の下、2位ユベントスを勝ち点2差でかわして18季ぶり3度目のリーグ制覇を達成。攻撃はチーム最多20得点のアルゼンチン代表FWバティストゥータ、14得点のイタリア代表FWモンテッラの2トップと、トップ下で13得点を挙げたトッティの3人がけん引。チーム68得点はリーグ1位の破壊力を誇った。00年1月に加入した中田は、EU外選手枠の問題とトッティとポジションがかぶったことで、主に控えで15試合2得点。第29節のユベントスとの大一番は途中出場から1得点1アシストを挙げて2―2の引き分けに持ち込み、優勝に貢献した。

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