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内村3戦連発だ!札幌 ホーム4戦連続完封で鳥取に圧勝

[ 2013年7月28日 06:00 ]

<札幌・鳥取>後半3分にボレーシュートで追加点を挙げる内村(中央)

J2第26節 札幌3-0鳥取

(7月27日 札幌ド)
 昇格ムードが漂ってきた。札幌は27日、ホームで鳥取に3発快勝した。前半44分にMF三上陽輔(21)が2試合連続の先制ゴールを挙げると、後半3分にはMF内村圭宏(28)が3戦連発となるボレーシュートを叩き込んだ。守備でもGK杉山哲(32)を中心に鳥取の攻撃をシャットアウト。昇格を果たした97、07年に並ぶクラブ史上3度目のホーム4戦連続完封で、攻守の歯車がかみ合っている。

 あうんの呼吸の連続。個々が描いたイメージが合致した。象徴的だったのが、内村の3戦連発だ。後半3分、右サイドをDF日高が豪快に突破した。その瞬間をエースは見逃さない。「(日高)拓磨くんは突破する」。そう信じてゴール前に突進すると、期待通りのピンポイントクロス。左足を伸ばすだけでネットが揺れた。「イメージ通りだった」。負傷離脱中の主将・河合の代わりにチームを引っ張る副主将が2点目を奪って、勝利を決定づけた。

 守備もはまった。最後方で統率するGK杉山は言う。「攻守の切り替えの意識ができている。しっかり声を出してやれている」。ピンチらしいピンチは、ポストを叩いた前半24分のみ。後半は圧倒的にボールを支配。相手の戦意をそいでいった。財前監督も「無失点で乗り切れたのが大きかった」と納得だ。

 雰囲気も昇格するチームの方向へ向いてきた。11年の昇格、そして昨季の降格を経験した選手はベテラン、若手を含めた13人。栄光と挫折を味わったことが生きている。11年の昇格を含む5チームで6度の昇格を経験している古辺フィジカルコーチは「前は声の出なかった選手も出るようになっている。自分たちで局面を変えられるようになってきた」と話す。何もできずに敗れ去った昨季の姿はもうない。河合を中心にまとまった11年に似たムードをチーム全体でつくり出している。

 試合後、好アシストでMIP賞となった日高が、賞品のさくらんぼを殊勲の内村と笑顔で食べる姿があった。勝利の余韻に浸りながら内村は言った。「もっと練習をしないと。上位相手にもできるように。気をゆるめてはいけない」。まだ目標は先。一喜一憂しないのも、また一つ強くなった証拠だ。

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