×

香川 先制“起点”敵地ドローもレアル強かった

[ 2013年2月15日 06:00 ]

<Rマドリード・マンチェスターU>前半、前線にパスを出すマンチェスターUの香川(左)

欧州CL決勝T1回戦第1戦 マンチェスターU1―1Rマドリード

(2月13日 マドリード)
 決勝トーナメント1回戦第1戦の2試合が13日に行われ、マンチェスターUは敵地でレアル・マドリードと1―1で引き分けた。日本代表MF香川真司(23)はトップ下で先発出場。大きな見せ場はつくれず後半19分に途中交代したが、先制弾につながるCKを獲得するなど奮闘した。シャフタル・ドネツクはホームでドルトムントに2―2でドロー。第2戦は3月5日に行われる。

 微妙なジャッジだった。前半20分、香川が左サイドでDF3人に囲まれながら突破を試みたが、左足での切り返しはセルヒオ・ラモスに阻止されボールはゴールラインを割った。最後は香川の足に当たったようにも見え、相手は猛抗議したが主審はCKと判定。ルーニーのキックから、ウェルベックの先制弾が生まれた。

 貴重なアウェーゴールの“起点”となったが、目標だった「インパクトを残すプレー」はできなかった。「監督の期待に応えたかったけど簡単にはいかない。まだまだだなとあらためて感じた」。反省ばかりが口を突いたが、言葉とは対照的に表情は明るかった。前身の欧州チャンピオンズ杯を含め最多9度優勝のRマドリードを相手に、求めていた刺激を存分に味わえた充実感がうかがえた。

 中村、本田らに次ぐ日本人5人目の欧州CL決勝トーナメントの舞台。日本代表のザッケローニ監督が視察に訪れる中、トップ下で先発した前半は上々のプレーを見せた。34分にファンペルシーに浮き球のスルーパスを通せば、35分には右CKのこぼれ球を左足でシュート。ボールを支配される展開の中、少ない好機に絡んだ。だが、左MFにポジションを変えた後半はボールを触る機会が激減。後半19分にチームで一番先に交代を告げられた。14日付の英メディアの評価は分かれ、タイムズ紙は10点満点の4点。デーリー・エクスプレス紙は「驚きの起用だったが、いい働き」と高めの評価で7点をつけた。

 香川が痛感したのは個人の能力の違いだった。「レアルは正直、強かった。技術やスピード、フィジカルを個人レベルで比較した時に、やっぱり僕はもっともっと成長しないといけないなと感じた。C・ロナウドは世界でNo・1の選手だと肌で感じることができた。差を見せつけられたから、この現状を深く受け止めてやんなきゃいけない」。力の差を知ったことで、自らの進むべき道も明確になった。多くを感じたサンティアゴ・ベルナベウでの63分間。香川にとってターニングポイントの一戦になるかもしれない。

続きを表示

2013年2月15日のニュース