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八百長問題でコンテ監督不在も…ユーベ開幕3連勝

[ 2012年9月18日 06:00 ]

<ジェノア・ユベントス>後半33分、勝ち越しPKを決め、ピルロ(右から2人目)、マルキジオ(左)らの祝福を受けるブチニッチ(左から2人目)

 昨季セリエA王者ユベントスは、過去に八百長を知りながら報告しなかったとして資格停止10カ月の処分を受けているアントニオ・コンテ監督(43)のベンチ不在が続く中、16日のジェノア戦で開幕3連勝とした。

 ロングボールで攻めてくるジェノアに先制を許したのが前半18分。その後も押される場面が続いたが、最後は地力の差を見せつけた。カッレーラ監督代行は「選手の状態が万全ではない中で苦戦したが、何とかペースを取り戻せた」と笑った。

 後半10分にチャンスメークに優れたFWブチニッチと突破力があるMFアサモアを同時に投入すると流れが変わった。16分に前線でボールをキープしたブチニッチが同点弾をアシストし、さらに33分にはアサモアが稼いだPKをブチニッチが決めて勝ち越し。39分にもブチニッチの折り返しをアサモアが押し込んだ。

 チームを逆転勝利に導いた好采配だったが、代行監督がそれを誇ることはない。「自分は代役。練習中に監督の考えを身につけ“存在”を(ベンチで)感じ続けられるようにしている」。コンテ監督が制限されているのは試合でのベンチ入りや指示伝達。練習での指導は認められ、カリスマ監督として昨季チームをセリエAで無敗優勝に導いた指導力に陰りはない。

 指揮官のベンチ不在を嘆く声もチームにはあるが、一方で選手の自立も加速する。MFジャッケリーニは「監督は練習を通じて選手に闘志を注入している。僕らがそれを試合に持ち込まないと」と話し、DFリヒトシュタイナーは「監督不在で戦えることを示した」と訴える。公式戦開幕を飾ったイタリアスーパー杯でナポリとの延長戦を制した選手は「優勝は監督に」と声をそろえた。カッレーラ監督代行は「結びつきが強い組織であることを示した」と話し、監督不在が結束強化の一因になっているという。

 公式戦4戦全勝で19日に控えるチェルシーとの欧州CL開幕戦に弾みをつけた。資格停止処分がイタリア国外でも対象となるコンテ監督はここでもベンチ外となるが、3年ぶりに復帰する舞台に「われわれにふさわしい場所」と訴える。自身は96年に優勝を経験。処分取り消しの上訴が認められなければCL初采配は今季実現できないが、欧州王座奪回の夢は練習で鍛え上げた選手に託す。

 ≪処分は二転三転≫スポーツ裁判におけるコンテ監督の容疑はシエナ(当時2部)を率いた10~11年の終盤戦2試合で八百長を知りながら告発しなかったというもの。8月3日の一審判決で資格停止10カ月の処分が下され、同20日の二審判決では1試合に関して無罪とされたが、残り1試合は一審判決では不十分として結果的に10カ月の処分期間が維持された。疑惑の試合でコンテ監督は提案があった八百長に対する賛否を各選手に尋ねたとされている。

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2012年9月18日のニュース