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決めれば勝つ!本田、2戦連発へ自信の“沈黙”

[ 2012年6月8日 06:00 ]

ザッケローニ監督(左)と同じポーズで笑顔を見せる本田

W杯アジア最終予選 日本―ヨルダン

(6月8日 埼玉)
 痛めている右膝は完璧ではないが、研ぎ澄まされた眼力がヨルダン戦への強い気持ちを表していた。“儀式”と化した試合前の沈黙。この日も口を開くことはなかったが、MF本田圭佑の目は2戦連発だけを見据えていた。

 オマーン戦では前半11分に左足で豪快な先制ボレーを叩き込んで、誰しもが感じていた初戦独特のプレッシャーをはねのけた。3発圧勝の流れをつくったのは紛れもなく背番号4だった。

 本田が決めれば日本は勝つ。09年5月27日のキリン杯チリ戦での代表初得点以降、得点すれば9戦9勝。香川や岡崎も決めれば負けない不敗記録を続けているが、本田は「得点=勝利」の方程式を堅持している。「本田本来のプレーを出せれば良い。彼は中盤でも、前線でも、状況に応じた判断ができる。そういうプレーを期待している」とザッケローニ監督も絶大な信頼を寄せている。

 年を追うごとに本田のゴールは重みを増している。日本代表の主軸になる前は、追加点を取ることが多かったが、10年W杯南アフリカ大会カメルーン戦での決勝(先制)点以降に奪った5得点のうち3点は先制点。昨年1月アジア杯シリア戦では1―1からの勝ち越し点。本田の得点が勝負の行方を決める傾向が強まっているわけだ。ヨルダンとは2戦2分けで勝利なし。過去2試合はいずれもリードを許し、日本が追う展開を強いられた。先制すれば、その過去を払拭(ふっしょく)できるだけに本田にかかる期待は大きい。

 昨年1月のアジア杯初戦ヨルダン戦では無得点。途中交代の悔しさも味わい「今の個人技だとヨルダン相手でもやれなかった部分があった」と力不足を痛感した。だが今は「打ちのめすのが王道だと思う。勝利することを考えたい」と1年半前の自分を超える自信にあふれている。あとはピッチで答えを出すだけだ。

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2012年6月8日のニュース