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意識はすでにW杯本大会 GK川島永嗣 逆算のマネジメント術

[ 2011年10月1日 12:00 ]

インタビューに応えるリールセ所属の日本代表GK川島永嗣

 サッカー界の旬な人に話を聞く「キーマン直撃」の第3弾は、ザックジャパン不動の守護神が登場。GK川島永嗣(28=リールセ)が9月に行われたW杯アジア3次予選の北朝鮮戦、ウズベキスタン戦を振り返り、11日のタジキスタン戦(長居)に向けた意気込みを熱く語り、14年W杯ブラジル本大会へも思いをはせた。

 9月2日のホーム北朝鮮戦(1―0)、6日のアウェー・ウズベキスタン戦(1―1)は苦戦の中、守備陣が奮闘した。

 自分たちは(1月の)アジア杯で優勝しているし、アジアの他のチームは日本がどうプレーするかも分かっている。北朝鮮のように守備を固めてくるところもある中で、自分たちでゲームの流れを読んで相手を崩していけるか、どれだけ相手にとって危険なプレーができるかが大事だと思う。

 ――特にウズベキスタン戦ではスーパーセーブが光った。

 90分間で1本、2本しかシュートが飛んでこないとすれば、その1本、2本のために集中力をしっかり持っていけるような準備は常にしている。

 ――ケガでMF本田、DF長友が不在だった。

 海外組だろうが、国内組だろうが、チームとして誰が入ってきても同じようなチーム力になっていくことが日本の良さだと思うし、今後もっと強くなっていくためにも必要なこと。若い選手が多いし、チーム力はまだまだ強くなる可能性があると思う。

 ――タジキスタン戦に向けては?

 北朝鮮、ウズベキスタンに比べれば情報は少ないかもしれないが、常に100%の準備をして臨むことで、自分たちにはない情報が起こったとしても、うまく対応していけると思う。

 2季目を迎えたリールセでは8試合を終えて未勝利(6分け2敗)だが、最近は2連続完封と手応えを感じている。

 勝ちがないのは事実だが、良い方向に進んでいるのは間違いない。守備の面でも今年はチームとしてオーガナイズ(組織的に)できていて、自分の仕事に集中しやすい。後ろ(守備陣)で我慢しながらやろうと話はしている。

 ――昨季は監督の交代、最終節での残留決定などを経験したが。

 昨季はいろいろありましたからね。そういう意味では自分の仕事にどう集中するかは、昨季よりも把握している。GKが全てを毎試合変えられるわけじゃないけど、試合の中で(勝つ)可能性を広げるために、自分が何をしなくてはいけないのかというところはプレーの中で意識してやれてるんじゃないかな。

 9月26日に川島初の著書「準備する力」(角川書店)が発売された。その中で日本代表の守護神の座をつかむまで、明確な目標に向けて全てを逆算して準備を進めてきたマネジメント術を披露。川島はアジア予選を戦いながらW杯本大会に向けた準備も進めている。

 今の自分たちの感覚が常に正しいとは思わない。今はアジアを相手に攻めながら、守りの部分も意識してやることが大事。でもW杯(本大会)で強豪チームとやるときは意識の違いが求められる。アジアで勝って本大会に出ることが大前提だが、今の時点から常にW杯での高いレベルでの対応力を磨く意識を持つことは大事だと思う。

 ――守護神として初めて臨むW杯予選だが。

 自分たちは常に勝つことを課せられているチーム。その使命を感じながら、個人としては新しい経験をしながら自分自身を高めていきたい。 

 ◆川島 永嗣(かわしま・えいじ)1983年(昭58)3月20日、埼玉県与野市(現さいたま市)生まれの28歳。01年に浦和東高から大宮(当時J2)に入団。04年に名古屋、07年に川崎Fに移籍し、10年からリールセ(ベルギー)でプレー。U―18日本代表から各年代別代表に名を連ね、07年にA代表入り。10年W杯南アフリカ大会直前に定位置を奪取して16強入りに貢献。A代表通算26試合18失点。1メートル85、80キロ。血液型O。利き足は右。

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