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なでしこ首位突破!明日菜“生き残るん”弾!

[ 2011年9月12日 06:00 ]

<日本・中国>後半、ゴールを決めた田中(左奥)は岩清水に抱きついて喜ぶ

ロンドン五輪アジア最終予選 日本1―0中国

(9月11日 中国・済南)
 なでしこジャパンは開催国中国に1―0で勝って無敗で五輪アジア最終予選を終えた。MF沢穂希(33=INAC)ら主力を先発から外して臨んだが、後半12分にDF田中明日菜(23=INAC)が五輪本大会メンバーへの生き残りをアピールする決勝ゴールを決めた。過密日程の今予選を4勝1分けの1位で突破。12日に凱旋帰国する。
【試合結果 ロンドン五輪アジア最終予選】

 日の丸がピッチに登場するとブーイングが起きた。試合中には「加油(ジャーヨ)(中国語で頑張れ)」の連呼が鳴り響いた。消化試合とはいえ、開催国・中国との完全なアウェー戦。騒々しいスタジアムを黙らせたのは、五輪本大会メンバーの当落線上にいる田中だった。

 0―0の後半12分だった。川澄の左CKを岩清水がヘディングシュート。クロスバーに当たってこぼれたボールを田中が左足で合わせた。「(CKを)ニアで合わせようとしたが(ボールが)ファーに行ったので、岩清水さんなら折り返しが来るかもしれないと思った。あとは足に当てるだけでした」。殊勲のゴールを振り返った田中だったが、笑顔はなかった。

 五輪本大会の登録メンバーは18人。今予選の20人より2人少なくなる。もちろん、今予選に招集されていない選手も五輪出場を虎視たんたんと狙っている。「テストの場だったので内容にもこだわっていたけど、もっとボールを引き出さないと、いい攻撃はできない。(アピールは)ゴールだけです」。ボランチとして攻撃の起点になれなかったことを悔やんだ。

 旧友が背中を押してくれた。オーストラリア戦前日の4日、宿舎を訪れた常盤木学園高時代の友人からプレゼントを受け取った。同高に所属していた田中、鮫島、熊谷のそれぞれにあてた手紙だった。「自分の同世代の人とか、一緒にサッカーした人からもらった。さまざまなことが書いてあって、うれしかった」。宿舎で読んで力をもらってピッチに立った。

 最終戦を白星で締め、なでしこジャパンは無敗で五輪最終予選を終えたが、ロンドンへのサバイバルレースはすでに始まっている。「ボールを触ってなんぼなんで、攻撃の起点になる部分をアピールしたい」。センターバックとボランチができるマルチな才能で、田中が18人枠に生き残る。

 ◆田中 明日菜(たなか・あすな)1988年(昭63)4月23日、大阪府堺市生まれの23歳。友人の影響でサッカーを始める。強豪の常盤木学園高(宮城)を卒業後、TASAKIペルーレ入り。同チームの廃部に伴い、09年INAC移籍。08年U―20女子W杯出場。なでしこデビューは3月のフィンランド戦。1メートル64、52キロ。血液型A。

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2011年9月12日のニュース