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五輪で雪辱を…「今思えば甘さがあった」足に刻んだ3年前の屈辱

[ 2011年6月18日 09:00 ]

練習でパスを出す山本

ロンドン五輪への道「オレも主役」 MF山本康裕(21=磐田)

 MF山本康裕(21=磐田)は本職はボランチだが、右MF、右サイドバックもカバーできるユーティリティープレーヤー。磐田では今季、右MFとして11日の名古屋戦まで全9試合に先発し、2ゴール2アシストと、主力として結果を出している。名古屋戦では左サイドでドリブル偏重の攻めになっていたのを感じ、「一発狙っていた」と右サイドで、ロングスルーパスをDF駒野に通し、チャンスを演出するなどゲーム全体の流れを読むことにもたけている。

 14日、冒頭15分だけ公開された練習ではリラックスした表情を見せ、ウオーミングアップではFW大迫らと並んでダッシュを繰り返した。五輪に懸ける思いは強く「この年代で世界と戦う最後のチャンス。予選を突破して、過去最高の成績を収めたい」と力を込めた。

 苦い思い出がある。08年11月8日、U―19アジア選手権・準々決勝で韓国に敗れ、翌年のU―20W杯への出場権を逃した。日本はそれまで7大会連続でU―20W杯に出場していたが、記録がストップ。主力として出場していた山本康は「今思えば(W杯に)出られたらいいなぐらいに思っていて、甘さがあった。アジアの厳しさを感じたし、(ケガなどで)出場できなかった選手もいたので、申し訳なかった」と険しい表情で振り返った。

 涙の記憶を忘れないように、今でもスパイクには、その日付を刻印している。「二度とあのような思いはしたくない。今は(FW永井、GK権田ら)その時のことは口にしないが、みんな忘れてはいない」。3年前の屈辱を晴らす意味でも、クウェート戦で負けるわけにはいかない。

 ◆山本 康裕(やまもと・こうすけ)1989年(平元)10月29日、静岡県浜松市生まれの21歳。磐田ユース時代の06年9月23日、大分戦でクラブ史上最速トップデビュー。08年に昇格。昨年8月22日清水戦で初ゴール。1メートル77、76キロ。

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2011年6月18日のニュース