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イングランド“復しゅう”失敗で30年ぶり屈辱

[ 2011年6月6日 06:00 ]

<イングランド・スイス>引き分けに終わり浮かない表情を浮かべるイングランドのテリー

欧州選手権予選G組 イングランド2―2スイス

(6月4日)
 欧州選手権予選の9試合が4日に行われ、イングランドはホームでスイスと2―2で引き分けた。守備が乱れて2点を先行される苦しい展開となり、引き分けに持ち込むのがやっと。代表のホームとする聖地ウェンブリーでは30年ぶりに4試合続けて勝利から遠ざかる不名誉な結果となり、今後に不安を残した。

 カペッロ監督は、試合終了の笛を聞くと不満げな表情を浮かべた。疲労感を漂わせたイレブンにも笑顔はなし。イングランドが格下相手にホームでまさかの引き分けだ。

 「この時期はいつもスタミナが問題になる。選手は本当に疲れていた」と指揮官。出場した全選手が過密日程のプレミアリーグでプレーし、長いシーズン後の一戦で精彩を欠いた。前半35分で予想外の2点ビハインド。いずれも相手のFKからゴールを許すなど守備の甘さが目についた。31分はGKハートが判断ミスで失点し、35分はミルナーが不用意に崩した壁の穴に鋭いシュートを通された。

 その後の反撃で黒星こそ免れたが、アウェーで3―1と快勝した相手にホームで引き分け。勝ち点で並んでいたモンテネグロも引き分けG組首位こそ守ったが、聖地ウェンブリーに限れば親善試合を含めて昨年10月から4試合も勝利がない。この日はFWルーニーが出場停止でMFジェラードが負傷欠場。主軸を欠くと、チーム力が大きな影響を受ける状況は相変わらずで、課題を残した。

 相手のスイスはFIFA会長選で4選を決めたブラッター会長の母国。18年W杯招致で惨敗したイングランド協会はFIFA執行部への反発を強め、買収騒動が持ち上がった会長選では延期を求める動議を出したが、圧倒的多数で否決された。サッカーの母国ながら選挙後は同会長や他国の理事から公然と非難され、孤立感を深める事態。この日の一戦に向けてはサン紙が「勝てばスイスの予選突破を事実上つぶせる。ブラッターにもボディーブローを見舞える」と復しゅうムードをあおっていたが、憂さ晴らしどころか相手に自信を与える結果となってしまった。

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