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本田2戦ぶり先発、左MFでブレ球FKも

[ 2010年8月2日 06:00 ]

<CSKAモスクワ・Cモスクワ>ボールを運ぶ本田圭佑

 CSKAモスクワの日本代表MF本田圭佑(24)が1日、スパルタク・モスクワとの“モスクワダービー”で2試合ぶりに先発出場した。レオニード・スルツキ監督(39)と起用法をめぐって対立し、前節7月25日のスパルタク・ナリチク戦はベンチ外となったが、この日は4―4―2の左MFに入ってプレー。後半33分にはブレ球FKでゴールを狙ったが無得点。試合は2―1で勝利した。

 攻撃的MFの定位置奪取へ、本田が前半から飛ばした。「ピッチの上で解決したい」と話していたように、左MFに入って前半11分に左クロスで好機を演出すると、12分にもFWバグネル・ラブへスルーパスを通して攻撃の起点となった。後半33分にはゴール正面約27メートルの位置で得たFKでスタジアムを沸かせた。ゆっくりとした助走から左足を振り抜くと、ボールは正面だったが、相手GKは左肩ではじくのが精いっぱい。得点にはつながらなかったが、持ち味のブレ球FKで見せ場をつくった。
 攻撃的MFでの先発は5月14日のルビン・カザン戦以来、4試合ぶりだった。スパルタク・ナリチク戦後も「譲れないものは譲れない」と、指揮官と何度も話し合いを持ち、一定の理解は得た。だが、今回はジャゴエフ出場停止の影響が大きく「次からどうなるかは分からない」との危機感を抱いていたため、この試合で適性をアピールする必要があった。
 ACミランやマルセイユなど複数クラブが獲得に興味を示しているが、現時点で正式オファーはない。本田には選手としてピークを迎える26、27歳でRマドリード入りする目標があり「もう24歳。焦りはある」と、早い段階で格上のクラブに移籍したい思惑がある。それでもチームが4位と苦戦していることを受け「今回の試合でチームを少しでも助けられれば」と目の前の試合に集中していた。
 W杯南アフリカ大会後は大きなギャップを感じた。日本に帰国した際の周囲の過熱ぶりに対し、不完全燃焼に終わった気持ちが強かった。「周りは盛り上がっていたけど、自分にとっては悔しさの方が残った大会。ギャップを感じるし、そこのコントロールはしっかりしたい」。日本で静養中は取材をすべて断って国内の避暑地に行き、己と向き合う時間に充てた。W杯後初めて本職の攻撃的位置でピッチに立ったこの日の試合は、14年W杯ブラジル大会に向けて本当の意味での再出発となった。

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2010年8月2日のニュース