×

執念CK!俊輔アシストで4連覇に望み

[ 2009年5月14日 06:00 ]

ダンディー・ユナイテッド戦の前半、攻め込むセルティックの中村

 MF中村俊輔(30)がアシストを記録し、セルティックがスコットランドリーグの優勝戦線に生き残った。セルティックは12日、ホームでダンディーUと対戦。中村は右足付け根の痛みをおして右MFで強行先発し、前半22分の右CKからDFグレン・ローフェンス(25)の先制点をアシストした。チームは2―1勝利で勝ち点を80に伸ばし、この時点で勝ち点79の首位レンジャーズを抜き、優勝に望みをつないだ。

 中村が5万7000人の観客を総立ちにさせた。前半22分だ。右CKで中村の左足から放たれたボールはきれいな弧を描いて、ゴール前のローフェンスの頭にピタリ。欲しかった先制弾がゴールネットを揺らすと、中村は最高の笑顔を見せた。

 「きょうは確実に勝つことが大事だった。セットプレーで点が取れたのが大きかった」
 4連覇に望みを残すには引き分けすら許されない試合。のしかかる重圧の中で、それでもセルティックの司令塔は何度もCKからチャンスをつくった。「CKはほとんどいいボールがいった。相手の嫌がるボールを蹴れば圧力が掛かるから」。プレッシャーをはねのけ、正確無比な左足から記録したリーグ単独トップの11アシスト目。中村自身も満足げだった。

 満身創痍(い)の状態だった。右足の付け根を痛めており、この日も痛み止めの薬を服用してプレーした。それでも後半40分に交代するまで精力的にピッチを動き回った。「みんな頑張って守っていたから」と周囲の奮闘に触発され、攻撃だけでなく守備でも貢献。後半29分にはスライディングでボールを奪うなど勝利への執念を見せた。

 宿敵レンジャーズとの優勝争いは残り2試合と大詰めを迎えている。古巣・横浜に復帰する可能性が高まっている中村にとっては、4連覇を置き土産にしたいという気持ちが強い。「ケガ?ベンチに引っ込んでからアイシングしていた。家に帰ってからも超音波、ストレッチ、マッサージ、ハリと、やることをやる」。最後まで自身の体にムチを打って、セルティックの日本代表MFは決死の覚悟で17日のハイバーニアン戦に臨む。

続きを表示

2009年5月14日のニュース