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FW6人不発…もう聞き飽きた決定力不足

[ 2008年10月10日 06:00 ]

<日本・UAE>後半、フリーでシュートを放つも外してしまい、悔しがる大久保(右から2人目)。内田(右)も頭を抱える

 岡田ジャパンが不完全燃焼のドローに終わった。日本代表は9日、W杯アジア最終予選のウズベキスタン戦(15日、埼玉)に向けた強化試合でUAEと対戦し、1―1で引き分けた。後半27分に途中出場のMF香川真司(19)が歴代3位の年少ゴールを決めて先制したが、圧倒的に攻め込みながら追加点を奪えなかった。決定力不足という相変わらずの不安を抱えたまま、本番に望むことになった。

【試合結果


 居ても立ってもいられなかった。視察に訪れた犬飼会長は試合終了後、すぐに岡田監督と対面すると「決めるときに決めてくれ。15日はちゃんと(ゴールを)決めてくれ」と厳命した。あまりにも当たり前の要求を受けた岡田監督は「その通りです」と答えるしかなかった。試合全体で63・6%もボールを支配し、シュート数でも15対4と圧倒しながら、W杯最終予選で連敗発進のUAEを相手に1―1の引き分け。15日のウズベキスタン戦に向けて弾みをつけるはずの強化試合は、ストレスばかりがたまった。

 永遠の課題と化してきた“決定力不足”をまたも露呈した。後半27分に香川の右足弾で先制したが、ゴールネットを揺らしたのは1回だけ。後半10分にはゴール前でフリーのMF大久保がシュートを大きくふかし、後半43分の香川の決定的なヘディングも枠をとらえなかった。岡田監督も「もう1点取れなかったのが問題」とシュートの精度の低さに頭を抱えた。

 この日の昼食では中盤のサイドの選手だけを集めてミーティングを開いた。「何げなく中に入りすぎている」と注意をうながし、サイドに張る意識を徹底させた。だが、左MFでプレーした大久保が「フリーで持っても出すところがなく、また戻さないといけなかった」と振り返ったように、前線との意思疎通もうまくいかなかった。「強いチームはサイドだけじゃなく中からもやっていく。臨機応変にいかないと」と大久保。個々のシュートの精度に加え、連係面の課題も浮かび上がった。

 後半は交代枠をフルに使い切り、FW登録の選手は7人中、森島を除く6人を使った。だが、大黒柱と見ていた玉田はシュート1本に終わり、FWの無得点は6試合に伸びた。岡田監督は「これを教訓にして次はぜひ勝ちたい」と必勝を期したが、ウズベキスタンとの決戦は5日後に迫っている。大久保は左サイドで再び起用するのか、トップ下に香川を使うのか、では1トップは誰になるのか。戦力としてメドが立った岡崎、興梠が加わり選択肢は増えたが、前線を固定できない不安を抱えたまま、ウズベキスタン戦を迎えることになった。

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2008年10月10日のニュース