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救いは香川…「ごっつぁん」19歳弾決めた

[ 2008年10月10日 06:00 ]

<日本・UAE>後半27分、先制ゴールを決めた香川(右から2人目)はチームメートと喜び合う

 【日本1―1UAE】初ゴールの瞬間は突然に訪れた。後半25分にピッチに入った香川はその2分後、興梠の右ポスト直撃シュートで相手守備陣が混乱したすきを突いてゴール前へ侵入。右サイドから内田がクロスを折り返した時には、周囲に敵DFは誰もいなかった。

 「いいところにボールが転がってきたので、あとは決めるだけでした。、ごっつぁんだったんで、本当にラッキーでした」。日本代表Aマッチ史上3番目となる19歳206日での年少ゴールに思わず照れ笑いを浮かべた。

 北京五輪では屈辱にまみれた。米国戦、ナイジェリア戦に先発したものの、荒れたピッチに足を取られて実力を発揮できなかった。帰国後もダメージを引きずったままリーグ戦に入り、深刻なスランプに陥った。

 課題のシュートも一向に上達しなかった。5日の横浜FC戦(国立)では決定機を3度も外し、ひたすらチームメートに謝罪した。この日も後半43分のフリーで放ったヘディングをゴール右へ外し「(試合の感想は)悔しさの方が大きい。GKの逆を取ろうと思って狙いすぎた。もう1点取れたので悔しいです」と反省が口をついた。

 記念すべきゴールはヒーローを夢見てプロ入りした19歳にとっては想定の範囲内。高2でC大阪入りした香川は、出場機会に恵まれないにもかかわらずクラブの寮の自室で「1人ヒーローインタビュー」を繰り返してきた。将来お立ち台に立っても動じないように、自分で質問を想定し、自分で返答。香川の部屋から聞こえる独り言が、隣の部屋のチームメートを気味悪がらせたこともあった。

 すべてはプロ意識の高さの表れ。10年W杯南アフリカ大会への道は、すでに頭の中でイメージできている。まずは15日のウズベキスタン戦のベンチ入りメンバー18人に入ること。代表初ゴールは、日本サッカー界の将来を担う香川のほんの第一歩に過ぎない。

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2008年10月10日のニュース