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小野先制点演出も…痛感「走らなきゃ」

[ 2008年8月21日 06:00 ]

<日本・ウルグアイ>後半、ウルグアイのMFペレスを倒す小野

 岡田ジャパンが完敗を喫した。日本代表は20日、国際親善試合キリンチャレンジカップでウルグアイと対戦し1―3で敗れた。相手にプレッシャーをかけられると攻め手を欠き、得点はオウンゴールの1点だけ。カウンターから失点を重ね、第2次岡田ジャパンでは14試合目でワーストの3失点を喫した。9月6日のW杯アジア最終予選のバーレーン戦に向けて、課題と不安ばかりが浮き彫りになった。

【試合結果


 2年2カ月ぶりに代表に帰って来た小野の“神通力”も及ばなかった。天才のきゅう覚が働いたのは後半3分。右サイドから中村憲の動きを読んで絶妙なスルーパスを送り、オウンゴールを誘発する起点となった。「ゴールにつながるパス、そういう動きはできた」と振り返ったが、結果は1―3という悲しい結末。ゲームを支配することはできなかった。

 「よく走りますね、このチームは。近代サッカーでは走らないとダメですね」。試合後、2度繰り返した言葉がすべてを物語った。前半は2列目の左、後半は3トップの右、中と3つのポジションで試された。だが、痛感したのは走力のなさ。2日間の練習に加え、チームコンセプトを編集したDVDに見入った。短時間でコンセプトを体現できたのはさすがだが、走力で劣った。

 「ラストチャンス」と自身を追い込んで臨んだ一戦。札幌入り後、岡田ジャパンとは別に午前中も1人、個人練習を積んだ。ピッチに立てば、ボールを持つだけで無数のフラッシュを浴び、独特のオーラは健在だった。今後の日本について問われれば、主戦場をドイツに置く男として「相手にかわされようと90分間のハードワークすること」と説いた。だが、それは自身の耳にも痛い、厳しい内容だった。

 W杯アジア最終予選は9月6日に敵地バーレーンで始まる。攻撃の軸として中村俊輔が左足に不安を残す今、小野にかかる期待は大きかった。それはすべてのセットプレーを任されたことからも分かる。しかし、今後については「結果がついて来なかったので。後は監督が決めること」と小野。代表定着を決定づける強烈なインパクトを残せなかったのも事実。小野の岡田ジャパン初陣は、ホロ苦い結果となった。

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2008年8月21日のニュース