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岡田構想白紙…キーマン稲本辞退

[ 2008年3月22日 06:00 ]

負傷のため代表を辞退したフランクフルトの稲本

 岡田ジャパンに衝撃が走った。日本代表のMF稲本潤一(28=フランクフルト)が21日、右太腿負傷のためドバイ合宿参加を急きょ辞退した。20日のコトブス戦で違和感を訴え、MRI(磁気共鳴画像装置)検査の結果、右太腿肉離れで全治2週間と診断された。日本協会は追加招集はしない方針で、稲本をバーレーン戦のキーマンに指名していた岡田監督の必勝プランは白紙に戻された。

 バーレーン戦のキーマンに指名された稲本が代表辞退に追い込まれた。20日のコトブス戦の前半途中、右太腿に違和感を訴え、ハーフタイムに交代を申し出た。一夜明けてMRI検査を受けた結果、患部には内出血が見られ、全治2週間の診断。フランクフルトのフィジカル担当も「プレーは不可能」と断言した。ドイツからドバイへ旅立つ直前のことだった。
 稲本本人が日本代表スタッフと連絡をとり、辞退は岡田監督にも伝えられた。指揮官は「肉離れ。今回は来られない。アクシデントなので仕方ない」と苦渋の表情。実は2日前から張りを訴え、治療を受けてコトブス戦に臨んだが、長い距離を走った際に痛みを訴えたことも判明した。試合後は「無理をすれば出られた。代表には行くと思う」と話したが、症状は予想以上に重かった。
 この瞬間、岡田監督の必勝プランは「白紙」に戻された。稲本は現役日本選手で最長となる7年以上の欧州生活で、誰よりもハードな対人プレーを体に刻んできた。岡田監督も珍しく「イナはフィジカル面もタフ。あのタフさはチームにプラスになる」と、敵地バーレーン戦のキーパーソンに指名した。稲本が合流する22日から一気にチームづくりを進める計画は音を立てて崩れ去った。
 MF中村俊輔(セルティック)もこの日までに正式なリーグ日程が届き、招集を断念。守備の要として期待したDF闘莉王(浦和)も直前の左足肉離れで招集を見送った。日本代表はもっとも実力がきっ抗し、W杯アジア3次予選のヤマ場と位置づける試合を、キーマン不在の国内組で戦わざるを得なくなった。

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2008年3月22日のニュース