【エリザベス女王杯】ジェラルディーナ豪快外差しG1初制覇!名牝ジェンティル娘が4歳完全開花

[ 2022年11月14日 05:30 ]

<エリザベス女王杯>レースを制したジェラルディーナとファンの声援に応えるC・デムーロ(撮影・平嶋 理子)
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 あの母にして、この娘!「第47回エリザベス女王杯」は名牝ジェンティルドンナを母に持つ良血ジェラルディーナが大外を豪快に突き抜け、初のG1タイトルを獲得した。エスコートしたのは短期免許で来日したクリスチャン・デムーロ(30)でJRA・G14勝目と仕事人ぶりを発揮。2着は直線先頭のウインマリリンと後方から伸びたライラックが同着となった。 レース結果

 超良血が全能力を発揮した。ジェラルディーナは大外枠から五分のスタートを切り、中団外めへ。うまく収まりをつけ、スムーズに流れに乗った。勝負どころで大外から手応え十分に、ポジションを押し上げる。雨で重くなった馬場の中、直線で確実に前を詰めていく。同着となった2着争いを尻目に、1馬身3/4差をつけてVゴール。右手でガッツポーズをつくったC・デムーロは18年阪神JF(ダノンファンタジー)以来、4度目のJRA・G1勝ち。喜びを爆発させた。

 「久しぶりにG1を勝てて、うれしい。ビューティフル・ラン。道中は中団でいい形、いいリズム。徐々に位置を上げて、瞬発力を出してくれました。こういう馬場も好きですね」

 昨年2月に石坂正厩舎がトレーナーの定年引退に伴って解散、斉藤崇厩舎へ。母は12年3冠牝馬でG17勝のジェンティルドンナ。転厩初戦の城崎特別は競走中に右手綱の尾錠が外れるアクシデント。完走したものの勝ち馬から3秒5差の8着に敗れた。折り合いと向き合う日々が始まった。

 あれから1年余り、斉藤崇師は「手綱が抜けたレースもありましたからね。一番、変わったのは折り合いの部分。以前は調教で結構ハミをかんでしまうところがありました。福永(祐一)さんが乗りやすい馬にしてくれた。丁寧に乗ってくれて折り合うようになって、その心配がなくなりました」と3歳夏から計8走で手綱をとった名手の教えが大きいと口にした。

 完全開花へ、下地は出来上がった。前走のオールカマーで待望の重賞初制覇。この日で4走連続のプラス体重、470キロはデビュー以来最高の数字。メンタルに加えて、馬体も着実にパワーアップを遂げていた。

 開業7年目で7度目のJRA・G1Vを飾った新進トレーナーはさらなる野望を抱く。「いつか大きなところを…と思っていました。やっとG1を勝つことができました。ようやくという思いもありますけど、これから先も“もっともっと”と思っています」と期待を膨らませた。

 9月8日に96歳で死去した英エリザベス女王は競馬にも深い愛情を注いだ。ディープインパクトの3代母ハイクレアのオーナーでもあり、その縁でディープ産駒も所有した。ジェラルディーナの母父はディープインパクト。時折、雨が落ちる中、華麗なブラッドラインが紡がれた。母の栄光を追って、さらに翼を広げていく。

 ジェラルディーナ 父モーリス、母ジェンティルドンナ(母の父ディープインパクト)18年5月12日生まれ 牝4歳 栗東・斉藤崇厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績16戦6勝(重賞2勝目) 総獲得賞金2億9896万7000円。馬名は女性名より。

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