【毎日王冠】復活サリオス2年ぶりV 15年ぶりレコード更新のおまけ付き

[ 2022年10月10日 05:25 ]

レコードで毎日王冠を制したサリオス(右)
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 怪物復活。G1馬4頭が集結した伝統のG2「第73回毎日王冠」が9日、東京競馬場で行われた。中団を進んだ1番人気サリオスが、直線で中を割って豪快に突き抜けた。2年前の同レースを制して以来、重賞4勝目。タイム1分44秒1は07年にチョウサンが記録した従来のレコードを15年ぶりに更新するおまけ付き。また、堀師はJRA通算700勝を達成した。

 直前からの大粒の雨。ゲートを入れ直しで、2度目のファンファーレが鳴る。悲鳴が似合うような暗い府中は、波乱を予感させた。しかし、サリオスには関係なかった。直線、外のジャスティンカフェ、内のダノンザキッドの間を一瞬でぶち抜いた。鮮烈。松山は「本当に強い競馬だった。少し前が壁になったところもあったが、空いてからは馬が強くて、しっかり抜け出してくれた」とうなった。

 道中は馬群の真ん中。「馬のリズムを大切にして自信を持って乗った」と好スタートも無理はせず。前半1000メートル、57秒9のハイラップを見極め脚をためた。レイパパレとダノンザキッドのG1馬両頭をジャスティンカフェが捉える。大勢が決したように見えたが、ためた脚は瞬時に切れる。強豪たちを中からまとめて面倒見た。シルクレーシングの米本昌史代表も「抜け出してくる最後の脚はびっくり。普通の馬では届かない。素晴らしい能力がある」と興奮気味だった。

 2歳時に朝日杯FSでG1奪取。3歳時にも皐月賞、ダービーで2着、毎日王冠では古馬を蹴散らした。そこから7戦連に絡まずも、今回は違った。「これまでで一番余裕のある状態で戻ってきた。カイバ食い、健康状態、脚元の状態もいい」と堀師。米本代表も「北海道でうまく立て直すことができた。牧場とトレセンでうまくかみ合った」と勝因を挙げた。

 再進撃は始まったばかり。米本代表は「状態を見てから」と前置きした上で「次は間違いなくG1になると思います」と力強く語った。続けて「種牡馬として血を残すためにももうひとつG1を獲りたい」。強烈なインパクトを残す勝利は、そう予感させた。

 サリオス 父ハーツクライ 母サロミナ(母の父ロミタス)17年1月23日生まれ 牡5歳 美浦・堀厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績14戦5勝(重賞4勝目) 総獲得賞金4億9217万7100円 馬名の由来はローマ神話に登場する戦闘の踊りの発明者。

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