【高松宮記念】武フレア“猪突猛進”49秒2!史上4人目50代G1制覇へ手応え

[ 2019年3月21日 05:30 ]

<高松宮記念>坂路で追い切るモズスーパーフレア(撮影・平嶋 理子)
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 “レジェンド”武豊(50)が50代最初のG1で勝利を狙う。コンビを組むモズスーパーフレアは栗東坂路で4F49秒2の猛時計をマークして万全の態勢をアピール。類いまれなスピード自慢を名手がどう操るか、目が離せない。一方、同馬に連敗中のナックビーナスに騎乗する大野拓弥(32)は虎視眈々(たんたん)と逆転を狙っている。

 モズスーパーフレアがルメール騎乗で重賞初制覇を飾った前走・オーシャンSは圧巻の逃げ切りV。「前半3F32秒3なんて俺も長くやっているけど、見たこともない」。さしもの武豊も驚くいだてんぶりだ。自身も前々走・カーバンクルSなどコンビ2戦2勝。「スタートも速くて二の脚も速い。時計の裏付けがあるのは強み」と類いまれな能力を感じ取っている。

 規格外のスピードは追い切りでも発揮された。坂路単走で4F49秒2!記者席のモニター前は「ホーッ」という感嘆の声に包まれた。この日の坂路で断然の一番時計。従来の49秒9を大きく更新する自己ベストでもある。音無師は「あまり加減すると遅くなってしまうのでいつも通りにやっただけ」と事もなげに話したが、出来がいいのは間違いない。

 パートナー同様、15日に50歳の誕生日を迎えた鞍上も好調だ。今年最初のG1フェブラリーSをインティで制しただけでなく、ここまでリーディング2位の32勝。50代での年間最多勝記録(00年岡部幸雄の103勝)を超えるペースで勝ち星を重ねている。「普通にやっているだけ。50歳で活躍する、あるいは逆に衰える、というのは僕の中にはない考え。年齢に対する意識やこだわりがない」とサラリと言ってのけるが、円熟の手綱さばきがさえわたっている。

 中京競馬場が12年のコース改修で「平たん小回り」から「直線が長く坂のあるタフなコース」へと生まれ変わって以降、高松宮記念の逃げ切りはゼロ。武豊も「高松宮記念の舞台で逃げ切るのは至難の業。直線の坂を上がってからゴールまでも距離があるからね」と慎重な口ぶりだが、高いハードルを幾度も軽々と跳び越えてきたのが武豊。史上4人目となる50代でのG1制覇で華麗に春シーズンの幕開けを飾るか。

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