【スプリンターズＳ】本命不在で“大荒れ警報”ブリザード狙う

スプリンターズＳ魅惑の“穴馬”香港馬ブリザード
Photo By ゲッティ＝共同

　今週から秋Ｇ１の新企画「激走馬　ロックオン」がスタート。当該レースの過去の波乱パターンをひもときながら、スポニチ独自の視点で分析した（秘）データを加味し、今年の出走馬に当てはめて激走狙い馬を大胆にピックアップします。初回スプリンターズＳの狙いは香港馬ブリザード。日本馬の人気が割れそうな今年は、１０年のレースとかぶる「混戦こその香港馬」に出番ありとみた。

　【構図】今年のスプリンターズＳは空前の大混戦。課題を抱えた実績馬ＶＳＧ１実績のない上がり馬という構図で、着順はもちろん人気順を予想することも難しい。オッズが割れるのは必至だ。

　【酷似】状況が似ていた１０年を振り返る。１番人気は香港馬グリーンバーディーで３・２倍。日本馬に確固たる軸馬が不在だった証拠だ。２番人気に押し出されたのが、夏に北海道で重賞を連勝してきた牝馬ワンカラットで４・９倍。同年春の高松宮記念を４連勝で制したキンシャサノキセキは、前哨戦のセントウルＳを疝痛（せんつう）で取り消したことが嫌われ、５・６倍の３番人気に甘んじた。結果はＧ１実績に乏しく、１番人気の陰に隠れた存在だった、もう一頭の香港馬ウルトラファンタジーの激走Ｖだった。

　【情勢】今年はどうか。高松宮記念の覇者セイウンコウセイは、函館ＳＳ４着で高速決着への不安を露呈。ビッグアーサーは爪を痛め、セントウルＳを回避しての臨戦。昨年Ｖレッドファルクスは４カ月ぶりと、タイトルホルダーに死角ありの状況。４連勝中の牝馬ダイアナヘイローなど、上がり馬が上位人気に食い込んでくるのは確実な情勢だ。

　本命候補が十指に余る中、ひっそりと来日した香港馬ブリザードがにおう。Ｇ１での実績がなく軽視されているのはウルトラと一緒で、厩舎も同じイウ厩舎。優勝経験のあるトレーナーが、中山に適性ありと見込んでの来日なら…。

　香港馬のＪＲＡ・Ｇ１制覇は過去に５頭。自身が２・０倍の１番人気だった世界的名馬サイレントウィットネス以外は、１番人気が３倍以上という混戦ムードの中、短距離王国の底力を発揮した形だ。

　【照準】Ｇ１タイトルこそないが、ハイレベルな香港短距離界で善戦を繰り返し、昨季の香港年度代表馬ラッパードラゴンを下した実績もあるブリザード。香港での漢字表記は「有得威」。日本馬のオッズが割れるほど、買っておいて損はない魅惑の穴馬だ。