【セントウルS】逃げても強いアーサー、進化見せた貫禄V!

[ 2016年9月12日 05:30 ]

<セントウルS>一馬身差で勝利した福永祐一騎手騎乗のビッグアーサー

 阪神メイン「第30回セントウルS」は1番人気ビッグアーサーがキャリア初の逃げ切り戴冠。高松宮記念を制した実力を証明した。

 高松宮記念覇者のビッグアーサーは最内枠からのスタート。「本番に向けて行き脚を付けたかった」と福永。ロケットスタートを決めると、持ち前のスピードで他馬をグングンと突き放してハナに立つ。このままマイペースに持ち込めると思いきや、1Fすぎに外のスノードラゴンの積極策にエキサイトするシーンも。「ハミをガツンとかんだが、スピードの持続力が違った」。イレギュラーな展開にも鞍上は無理に抑え込むことなく、馬のリズムを重視して直線へ。内ラチ沿いで加速すると坂の上りでもうひと伸び。外から伸びたネロの猛追を1馬身しのいでゴールへ飛び込んだ。

 「スタートに気を付けて乗った。序盤で2番手に控えることも考えたが、今後のことを思って行かせた。休み明けで58キロを背負って勝てたのは大きい。次に自信を持って臨めると思う」

 今春の高松宮記念は好位から突き抜け圧巻のレコードV。レース後は外傷もあり夏場は全休したが、早々に秋の始動戦をここに定めて調整してきた。「もちろん目標は先だが、チャンピオンとしての立場があるから」(藤岡師)。陣営は始動戦後の反動も考え、中途半端な仕上げは避け「馬が苦しくなるぐらい」にビッシリと乗り込んだ。その成果が最後の粘りを生み、デビューから12戦目で初の“逃げ切り勝利”という進化の走りを身に付けた。

 これでスプリンターズS(10月2日、中山)の優先出走権を獲得。福永は「どんな競馬でもできるが今回は“王道”のレースをして、馬がどれぐらい進歩しているのかを見たかった。大型馬なのでこれから上積みも見込める。この馬ともう一つのタイトルを獲りたい」と、さらなる飛躍へ期待を膨らませた。自慢の快足に磨きがかかったアーサーが、秋も主役を務める。

 ◆ビッグアーサー 父サクラバクシンオー 母シヤボナ(母の父キングマンボ)牡5歳 栗東・藤岡厩舎所属 馬主・中辻明氏 生産者・北海道浦河町バンブー牧場 戦績12戦8勝 総獲得賞金2億9981万1000円。

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2016年9月12日のニュース