【ジャパンC】ショウナンパンドラ 落鉄お構いなしラスト1F12秒2

[ 2015年11月26日 05:30 ]

坂路で追い切られたショウナンパンドラ

 「第35回ジャパンカップ」の水曜追い切りが25日、栗東、美浦トレセンで行われた。天皇賞・秋4着から挑む4歳牝馬ショウナンパンドラが人馬一体の動きを披露。この夏から急速に力を付けた新・女傑候補が世界制覇へ万全の態勢を整えた。なお同レースの出走馬、枠順は26日に確定する。

 ショウナンパンドラは坂路2本で最終仕上げ。先週3日間開催の影響で、水曜は全休日明け。追い切るか、どうか――。頭を悩ませていた高野師だが、ゴーサインは1本目(4F75秒4)終了後に出された。「馬の様子を見て判断しました。男馬みたいな馬だけど、レース間隔も考えて。一応女の子ですから」と説明。強豪を抑え込んだオールカマーと同じパターン。全休日翌日の追い切りはリスクも伴うが、東京への輸送にも配慮した決断となった。

 パワフルな脚さばきで真っすぐに駆け上がった。ラスト1Fで左前脚を落鉄するアクシデントに見舞われたが、最後までしっかり追われて4F54秒9。“裸足(はだし)”でもラスト1F12秒2は、この日栗東坂路2位タイと、鋭く伸びた。「全身を使い、関節の可動域の大きさが分かる、いい追い切り。(落鉄に関しては)脚元を確認しましたが、蹄鉄を打ち直して全く問題ありません」とトレーナーはアクシデントにもビクともしない。

 天皇賞・秋は外枠が影響して4着。ダッシュが利かず後方からの追走だったが、上がり3Fは最速に並ぶ33秒4と力は見せた。「大きなダメージはありませんでした。レース後に馬房で、いつもの“遊び”をやっていましたから」。この“遊び”こそ元気のバロメーター!?舌を出してペロペロと遊ぶしぐさ。「栗東に帰って来てからも、ずっとペロペロやってます(笑い)。馬に余裕があるんでしょう。食欲があるから体力がある。だから余裕も生まれる。状態は前走以上ですよ」と自信を持って送り込む。

 牝馬は過去10年で4勝、2着2回と活躍。師自身は、競走馬の能力に性差はないと考えている。「草食動物は逃げるために走る。牝馬がスピードで劣っていたら、牝馬ばかり襲われてしまうでしょう。だから、2キロの重量差は数字以上に有利だと思うんです」。牡馬一線級相手に互角に戦ってきた精神力と体力を武器に、パンドラが世界の頂点に上り詰める。

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2015年11月26日のニュース