【ジャパンC】古豪ペルーサ 8歳になっても諦めない

[ 2015年11月26日 05:30 ]

併せ馬で追い切られたペルーサ(左)

 【G1ドキュメント=25日】筑波おろしが吹きすさぶ坂路下の馬道から藤沢和師の陽気な声が聞こえてくる。「よし、やる気だな」。追い切りを終えたばかりのペルーサに頼もしげな視線を送ると、「来年も走るかもしれない。それぐらい元気。無理してないからこの年でも馬は傷んでいないんだ」と続けた。

 8歳晩秋を迎えた古豪が覇気に満ちたストライドで坂路を駆け上がってくる。老いの陰りさえ見せない鋼のような後肢が湿ったウッドチップを軽々と蹴り上げた。1馬身追走したエグゼビア(5歳500万)と馬なりのまま併入。4F57秒8の遅い時計も織り込み済みだ。「この年齢だから調教では動かない。月曜(23日)にも時計(坂路4F56秒3)を出しているし、木曜には東京競馬場への輸送もある。これで十分だね」と語ると、梅崎にちゃめっ気たっぷりの笑顔を向けた。「さあ、あんたはどうする?ベテラン記者はベテランホースで勝負か?」

 8歳とはいえ、疾病が続いたため厩舎に滞在していた時間は長くない。3、4歳時にG1でしのぎを削った厩舎の大黒柱も喉鳴りや蹄の負傷で5歳後半から6歳末まで完全休養。復帰後も伸び悩んだ。「諦めたら、おしまい」、「このままじゃ終われない」、「何とかするしかない」。この2年間の同師の発言が梅崎の取材ノートに書き連ねられている。

 前走の天皇賞・秋ではついに復活の予兆。2コーナーで大きな不利を受けて後方へ下がりながら、7着まで追い込んできた。「直線で外に出せれば違った結果になったと思うが、それでもいくらも負けてないから」と振り返った同師。筑波おろしが吹く坂路下の馬道で、その後ろ姿を再び頼もしそうに見つめていた。

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2015年11月26日のニュース