【ジャパンC】イラプト本気追い!納得グラファール師“トレビア~ン”

[ 2015年11月26日 05:30 ]

小雨の中、芝で追い切られたイラプト

 「第35回ジャパンC」の水曜追いが25日、東京競馬場で行われた。芝コースでフランス馬のイラプトが軽快な走りを披露した。世界最高峰レースの前走・凱旋門賞でも5着に奮闘した3歳新星。デビューから無傷4連勝でジャパンC褒賞金の交付対象G1パリ大賞を制覇。このレースを勝てば8000万円の褒賞金を加えて3億8000万円をゲットできるとあって陣営の本気度も違う。05年アルカセット以来、10年ぶり外国馬Vの期待が高まってきた。

【ジャパンC】

 フランスの新星イラプトがベールを脱いだ。ダートを軽くダクで1周した後、実戦と同じ東京芝コースでの単走追い。519キロ(25日計測)の巨漢だが、重苦しさはなく、走りは軽い。突然の雨に戸惑う様子もなく、直線で鞍上が軽く促すと、馬体が沈んで機敏に加速。7F99秒7~1F13秒4で力強く駆け抜けた。

 見届けたグラファール師は「トレビア~ン。気持ち良く走っていたし、状態は満足。久しぶりに生で見たけど、これだけ元気だと僕もうれしいよ」と笑顔だ。自らコースを歩き、芝をチェックした指揮官は「日本の芝は硬いと聞いていたので確かめたかった。なるほど本国と違う芝だけど、イラプトは硬い芝が合う。よく整備されたコースだ」と続けた。G1初制覇を飾った7月パリ大賞が良馬場。逆に9月ニエル賞(4着)は重馬場に泣いた。日本の高速ターフも考慮しての参戦だ。

 大型馬で仕上げに時間がかかり、デビューは今年4月と遅かったが、無傷4連勝でパリ大賞で早くもG1初制覇。その時点でJRAから勧誘があり、来日を視野に入れていた。世界最高峰の凱旋門賞は5着に敗れたが、3連覇に挑んだトレヴ(4着)と1馬身半差。凱旋門賞の疲れがないことを確認し、来日にゴーサインを出した。

 褒賞金指定競走のパリ大賞を制したイラプトはジャパンCを勝てば、優勝賞金3億円+褒賞金8000万円。総額3億8000万円ものビッグマネーが転がり込む。レーシングマネジャーのアラン・クーパー氏が「ブリーダーズCだと、凱旋門賞から間隔も短い。万全で挑むにはジャパンCがいい」と参戦理由を明かした通り。体調にも細心の注意を払って、本気で勝ちにきた。

 左回りはデビュー2連勝のリヨンパリイで経験済み。同師は「右回りより左回りが合う馬。従順ですぐ加速できるのが長所。日本馬はとても強いけど楽しみ」と力を込めた。日本の高速馬場OKの自在型。87年ルグロリュー以来、28年ぶりのフランス馬制覇は夢物語ではない。

 ▼褒賞金 ジャパンCの褒賞金交付対象の外国指定競走はドバイワールドC、英ダービー、パリ大賞、愛チャンピオンS、凱旋門賞、ブリーダーズCターフなど計19競走。指定競走の今年の優勝馬はジャパンC1着なら8000万円、2着で3200万円、3着で2000万円の褒賞金が交付される。イトウが今年勝ったバイエルン大賞、トリップトゥパリスのゴールドC、ナイトフラワーのオイロパ賞の各G1は交付対象競走とはなっていない。

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