【日本ダービー】ドゥラメンテ 安息の地で2冠力チャージ

[ 2015年5月28日 05:30 ]

ノーザンファームしがらきで調教主任を務める北山秀人氏

 2冠を目指すドゥラメンテの強さについて、放牧先のノーザンファームしがらき(滋賀県甲賀市)で調教主任を務める北山秀人氏(40)に迫った。

 ノーザンファーム(NF)生産の関東馬は通常なら福島県のNF天栄などに放牧に出るが、輸送時間が倍の10時間もかかる関西へ出されるのは異例のこと。

 「東日本大震災の後、関東馬をしがらきで受け入れることに。その後、堀先生を知り合いの池江先生から紹介してもらいました。堀先生の考えを聞いて一緒にやってみたいなと。馬にとって何が一番いいのかを常に考えておられます」

 ドゥラメンテが初めてNFしがらきに来たのは、2戦目の未勝利(11月8日)を勝った後だった。11月21日から約1カ月間の滞在。レースぶりから激しい気性のイメージはあるが「根っから悪い性格の馬じゃない。“ここではのんびりしていいんだ”と感じてくれた。凄くいいフットワークをする。急がせるより丁寧に乗るようにした」。

 今年初戦のセントポーリア賞は5馬身差V。続く共同通信杯は、気性の激しさを露呈し2着に敗れた。

 「中1週で使うのは“どうなのか”という声もありましたが、年末にトレセンに戻す段階から想定していたローテ。ただ、思った以上に気持ちが入り過ぎてしまいました。反省以外何もないですね」

 共同通信杯の後は再び、しがらきに帰ってきた。2月19日から3月26日まで滞在。皐月賞出走は賞金的に微妙な状況だったが…。

 「前回の過程もあるし“ここだ”とスッと落ち着いてくれた。ただ、ハードな競馬の後で体がしぼんでいたし、回復に重点を置いて調整。いい意味でリセットして送り出せた」

 賞金上位馬の回避で皐月賞に出走。レースは勝負どころで外に大きく膨れながら、豪快に差し切った。皐月賞の後は放牧に出さず、トレセンに在厩して調整。

 「先生もレースのダメージを直接確認したかったというのもあって。最後は先生に託したい。今度は行儀のいい競馬で、みんなが凄いなと思ってもらえるレースをしてほしい。競馬界を盛り上げるためにも(NFしがらきで調整していた)オルフェーヴルの後に、こういう馬が出てきたなとなってくれれば」

 NFしがらきからドゥラメンテに懸かる期待は3冠馬の後継、競馬史をつぐむほどの存在だ。

 ◆北山 秀人(きたやま・ひでと)1974年(昭49)7月15日、北海道生まれの40歳。高校卒業後、北海道のノーザンファーム早来に就職。その後、滋賀県近郊のグリーンウッドへ出向。10年秋に開場したノーザンファームしがらきへ。調教主任として全厩舎を統括する。印象に残っているダービー馬は96年フサイチコンコルド。

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