【日本ダービー】リアルスティール 逆転Vへ究極“99.9%仕上げ”

[ 2015年5月28日 05:30 ]

福永が騎乗し先行させたトニーポケット(右)に並びかけるリアルスティール

 「第82回ダービー」まであと3日。27日、栗東、美浦トレセンで追い切りが行われた。皐月賞2着から巻き返しを期すリアルスティールは坂路併せ馬でゴール前グイッと伸びて3馬身先着だ。スタッフ一丸となって仕上がりは万全、矢作厩舎が12年ディープブリランテに続く2勝目へ万全の態勢が整った。なお同レースの出走馬、枠順は28日、確定する。

 リアルスティールの最終追い切りは坂路。トニーポケット(6歳1000万)との併せ馬は1馬身追走でスタートした。3週連続で手綱を取った福永と息を合わせ、道中は僚馬を視界に入れてピッタリ折り合いをつける。力むシーンは一切なし。ラスト1Fで並び掛けると、しっかりギアチェンジ。しまい重点で4F54秒6~1F12秒4を刻み、3馬身先着でゴールへ。追い切り前に矢作師が描いたイメージとモニターが映し出す動きがピッタリ一致した。

 「先週しっかり負荷を掛けているし、やり過ぎないように反応を見る程度。グッと来る反応が見ていて分かった。いい調教ができた。よくここまで順調に来たなと思う」

 先週のCWコースは前半からペースを上げ、6F80秒6~1F11秒7でキョウエイバサラ(7歳1600万)に3馬身先着。抜け出してから一瞬、気を抜くそぶりを見せた皐月賞を踏まえ、あれだけの時計で動いていながらゴールを過ぎてからも手綱を緩めることがなかった。そこでビッシリ負荷を掛けて、このひと追いはオーバーワークを避けながら、なおかつ軽くなり過ぎない絶妙なサジ加減。矢作師が続ける。

 「ダービーを勝つには究極の仕上げじゃないといけない。99・9%ならいいけど100・1%なら駄目。一線を越えてしまうと当日、難しくなるからね。けさはトニーポケットに騎乗していた安藤(助手)が要求するラップを刻んでくれて、ギリギリのところでやれた。“厩舎力”が上がっているということだろうね」

 前走・皐月賞はゴール前、ドゥラメンテの強襲に屈して1馬身半差の2着。あの時点では完敗だからといって、諦めるなんてあり得ない。むしろモチベーションは高まっている。

 「この春は最初から“5・31”を目標に一丸となってやってきた。やるべきことはできた。体は凄く研ぎ澄まされているし、もっと切れるという手応えはある。あとは天命を待つだけ」

 3年前は厩舎の先輩ディープブリランテが皐月賞3着をステップに、そこからグングン調子を上げてダービー制覇を成し遂げた。劇的Vで厩舎の歴史をつくった5月27日。同じ日に偉大な先輩の背中を追う後輩が完璧な内容で最終追い切り。逆転Vへ、態勢は整った。

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