記憶にも記録にも残った三郎先生、22日ラストラン

[ 2015年5月22日 05:30 ]

きょう8Rのシルクスノーマンがラストランとなる高橋三郎師(前列左から2人目)

 【地方競馬です!!】また一人、地方競馬の功労者がその役目を終える。22日の大井8Rに最後の出走馬シルクスノーマンを送り出す高橋三郎師(70)だ。18日に勇退発表、引退式。ハイセイコー、そしてフジノウェーブ。まさにレジェンドと呼ぶべき騎手、調教師としての活躍ぶりは19日付紙面でお伝えした。

 後日、再び話を聞いた。馬や関係者への感謝を述べ、「馬一筋で長くやってくることができたのは多くのファンが応援してくれたからこそ。本当にありがたい」としみじみ語った。騎手時代、大学生だった記者は何度も競馬場へ足を運んだ。電投系が占有率50%を超え、静かなパドックの現在とは違い、現場には人とざわめきがあふれていた。初めて高橋三騎手を見た時は随分とヤジを飛ばされる人だなと思った。

 個別の馬やレース以外で、最も師が印象に残るのは騎乗機会V9だという。早速、調べてみた。68年、ウエルスダイバーで東京ダービーを初制覇した日。その前後のレースを含め7戦6連勝。翌日、最初のレースから3連勝。V10目前で途絶えたが、そんなこともあったのかと驚いた。ヤジの多さは人気ジョッキーの宿命だったのだと納得がいく。罵声は別だが、ヤジの中には愛情のこもったものもある。

 変わり続ける競馬界を常に全力で駆け抜けてきた師。心から感謝したい。(池田 裕文)

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2015年5月22日のニュース