【フェブラリーS】カゼノコ タルマエに肉薄した剛脚で新風吹かす!

[ 2015年2月18日 05:30 ]

坂路で調整するカゼノコ。ホッコータルマエと接戦を演じた剛脚で初G1制覇を目指す

 15年JRA・G1第1弾「第32回フェブラリーS」に、4歳馬カゼノコがスタンバイ。昨年の3歳交流G1・ジャパンダートダービーの覇者。前走の川崎記念では王者ホッコータルマエに0秒1差まで肉薄するなど、レースを使いつつ地力を強化してきた。

【フェブラリーS】

 成長著しい4歳馬が馬名通りの瞬発力で王者を苦しめた。カゼノコは前走の川崎記念で後方から追い上げ、ホッコータルマエに0秒1差2着と接戦を演じた。450キロ台と馬格は小柄だが、体全身をバネのようにしならせる豪快なフォームが持ち味だ。タルマエはドバイWC(3月28日、メイダン)挑戦のため不在。激流のG1舞台で決め手勝負になれば一発を秘める。

 野中師は愛馬の充実ぶりに目を細めながら「レース後も変わりなく調整は順調。前走は地方の小回りコースだったので、ある程度出していく内容。最後までいい脚を使ってくれたね。ダートのマイルは初めてだけど広い東京コースは競馬がしやすい。能力は高い馬なので自分のリズムで運べれば」と語った。

 “超”が付くほどの切れ味は母のタフネススター譲り。母は01年のカブトヤマ記念を上がり3F33秒0の鬼脚で制し、“風”のように他馬を一蹴した。野中師は調教師免許を取得する以前、藤岡範厩舎で調教助手を務めていた時に、現役時代の調教を担当していた。「母は神経質だったが切れ味は凄かったからね。カゼノコが藤岡範厩舎から転厩(14年2月末で定年のため)してきた時から、“あの脚を”と思っていた」

 野中師はヤンチャな血筋を考慮して、まずは人間の指示に従うよう基本乗馬に立ち返り矯正。師匠である藤岡範師の唯一の重賞馬である母のDNAをしっかりと受け継ぎ、大事に育て上げてきた。「正しい運動をすれば正しい筋肉は付くし、体のバランスも良くなる。以前に比べて飼い葉食いも良くなって鍛えられるようになった。今の完成度で強い相手にどこまでやれるか。今回は小細工なしに末脚勝負にかけるつもりだよ」

 3歳ダート王を決める昨年のジャパンダートダービーは鼻差で、地方の雄ハッピースプリントの南関3冠の偉業の夢を打ち砕いた。大舞台での勝負根性は相手が強くなればなるほど発揮される。今年のフェブラリーSは人気のコパノリッキーを筆頭に先行勢が集い激流必至。今度はコパノの連覇を阻む番か!?師匠が果たせなかったG1制覇へ、勢いある新星の走りから目が離せない。

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2015年2月18日のニュース