【フェブラリーS】インカンテーション理想の体へ“調教遠慮なく”

[ 2015年2月18日 05:30 ]

運動するインカンテーション

 V候補の一角を占めていたエアハリファの回避で、ますますコパノリッキーの1強ムードが強まった今年のフェブラリーS。前哨戦の東海Sで、そのリッキーに完敗(0秒7差3着)を喫しているインカンテーション。数字だけを見れば、いかにも分が悪いが、レースを見直すと能力を再認識できる内容だ。

 スタートでつまずいてバランスを崩し、後方に置かれる展開。加えて左後肢の落鉄と不運が重なった。向正面まで固まった馬群から、5馬身ほど離された後方をポツンと1頭で追走。それでも諦めず3角から発進。直線は大外に持ち出し、メンバー中最速の3F36秒7の末脚で、2着グランドシチーとは鼻差の3着まで追い上げた。「ゲートの中でモタれたタイミングでスタート。最後はよく伸びていたので、せめて中団で運べていれば」と羽月師も悔やむ一戦だ。

 昨夏の新潟でオープン特別を連勝した勢いで、秋のG3みやこSも制覇。充実期に入った印象だが、指揮官は「まだ筋肉が少ない。これからもっと成長する」と評する。それでも前走は、昨年暮れのチャンピオンズCから10キロ増やし、過去最高となる496キロで出走。「これまでいつも、もう少し体が欲しいと思っていたからいい傾向。丈夫な馬だから調教を遠慮なくできる」と着実に理想の体を手に入れつつある。

 マイル戦は3歳2月以来、丸2年ぶり。師は「不安がないわけではないが、千八でも掛かり気味に走るので対応してくれるはず」と期待する。前走は強烈な末脚を披露したが「マイルはもっと切れる馬がたくさんいる」と師。理想は中団より前からの抜け出しだ。前走ははるか前方で視界に入らなかった王者リッキーを、常に意識できる位置で運べれば、逆転Vも決して夢物語ではない。

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2015年2月18日のニュース