【凱旋門賞】ゴールド&ジャスタ万全仕上げ!須貝師「天命を待つ」

[ 2014年10月5日 05:30 ]

競馬の世界最高峰レース、第93回凱旋門賞に出場するジャスタウェイと福永祐一騎手(JRA提供・共同)

 日本競馬の歴史に新たな1ページが刻まれるか――。世界最高峰のG1凱旋門賞(ロンシャン芝2400メートル)はいよいよ午後4時30分(日本時間午後11時30分)、運命のゲートが開く。須貝厩舎の2頭、ゴールドシップ(牡5)とジャスタウェイ(同)はそれぞれ非公開で最終調整。須貝師は「人事を尽くして天命を待つ」と心境を明かした。

 決戦の時が迫ってきた。ジャスタウェイとゴールドシップ、2頭の最終調整を見届けた須貝師は力強く言い切った。

 「人事を尽くして天命を待つという心境。やれることは全てやった。ここまで人も馬も無事で何よりだよ」

 この日の調整内容は、フランス入りしてから初めてとなる非公表。指揮官は「2頭はそれぞれ別のメニューでやった。内容は企業秘密」とした上で、「2頭ともに考えていた以上の出来」と仕上がりに胸を張った。

 この1年間、須貝師はゴールドシップとジャスタウェイの2頭を早く対決させたいと考えていた。ほとんどの時間を隣同士の馬房で過ごし、同じく古馬の王道を歩んできた2頭。しかし競馬場で相まみえるのは12年のダービー以来で、意外にも2回目だ。

 「2頭を別々のレースに使いたいんだろ」

 そんな批判の声が聞こえたこともあった。しかし惑わず信念を貫いた。「ファンが2頭の対決を望んでいることは分かっていたよ。ただ、それぞれの理想のローテを考えていたら、偶然こうなったんだ」と須貝師は苦笑いを浮かべる。でも、だからこそ凱旋門賞には2頭で参戦したかった。

 「どちらもこのレースに出るのにふさわしい馬だし、お互いがお互いの帯同馬になれる利点があるからね。小林オーナーと大和屋オーナーの理解が得られたことが本当にありがたかったよ」

 日本で使用しているカイバ、さらに普段飲んでいる琵琶湖の水を約200リットル持参した。フランスでは珍しい、日本と同じく天井からつるす形のカイバおけも用意した。打つべき手は全て打ったという自信がある。

 「馬のことばかり考えて、胃が痛い毎日だった。でも、その分2頭が元気ならそれでいいんだ」。思い残すことは何もない。あとは2頭がロンシャンの芝ではじけることを信じるだけだ。

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