【新潟2歳S】華麗アヴニールマルシェ 折り合い完璧、古馬と併入

[ 2014年8月28日 05:30 ]

レッドスパーダ(左)と坂路を駆け上がるアヴニールマルシェ

 来春クラシックに直結する新潟2歳重賞「第34回新潟2歳S」の最終追いが27日、美浦・栗東トレセンで行われた。現2歳世代は3戦全勝の「藤沢和軍団」が送る精鋭アヴニールマルシェは、先輩レッドスパーダと互角の動き。新馬→重賞Vの“エリート路線”に乗り、クラシック出走権を早々と確定したい青写真だ。

【新潟2歳S】

 薄暗い午前5時の開門直後。真っ先に坂路入りしたアヴニールマルシェが軽やかに飛んだ。重賞3勝の大先輩レッドスパーダ(8歳オープン)に胸を借りて先導。中間地点で一度はスパーダが前へ。手綱を抑えたまま、しっかり併入に持ち込んだ。4F56秒2~1F13秒3。未明の雨で時計は地味だが、力強い脚さばきが圧巻。抜きつ抜かれつの中、従順に折り合った性格がセンスの証明だ。騎乗した北村宏は「スパーダに一度は前に行かせて“出し入れ”したのは予定通り。気持ちもコントロールできていたし、走りも良かった」と穏やかに切り出した。

 現2歳は3戦全勝の藤沢和軍団。特に新馬戦解禁2週目の6月15日(東京)に先陣を切ったマルシェの期待は大きい。迷わず新潟2歳Sに照準を絞り、7月下旬に放牧先から帰厩。「じっくり秋なんて言ってられない時代。昔と比べ、新潟2歳Sの意味合いも変わっている。早くから、ここ目標にやってきたから」と指揮官。昨年1、2着馬ハープスター、イスラボニータは共にG1制覇。2年前から新馬戦が2週早まり、早期の賞金加算は必須だ。

 新馬戦で駆使した3F33秒9の剛脚は父ディープインパクト譲り。2着馬ロジチャリスが、続く未勝利戦で3馬身半差の楽勝で価値は増した。師は「2着馬に一度は頭も出られたけど、よく頑張った。根性もあるね。あんな早い段階から走れるのだから、仕上がりも早い」と目を細める。

 舞台替わり&1F短縮を克服してこそ、夢は大きくなる。「新潟の速い馬場は鍵になるけど、この馬はスピードもあるから対応できる。それに外回り。ここで結果を出せれば、先々が楽しみになる」と師は力強く結んだ。新馬→重賞の無傷V2なら、賞金的にも来年3冠の“出走権”はOK。659メートルの日本一長い直線で再び剛脚が火を噴けば、来春クラシックが見えてくる。

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2014年8月28日のニュース