【阪神JF】グランシェリー JRA日高育成牧場生産馬がG1初挑戦

[ 2013年12月6日 05:30 ]

JRA日高育成牧場生産馬として初めてG1に挑むグランシェリー

 JRA日高育成牧場生産馬として初めてG1の舞台に立つのがグランシェリー。「研究」の枠を超えての大駆けに注目が集まっている。

【阪神JF】

 グランシェリーは11年3月20日、JRA日高育成牧場(北海道浦河町)で誕生した「JRAホームブレッド」。同牧場生産馬のG1挑戦は初めてとなる。

 同牧場は54年、宇都宮育成牧場日高支所として創設。競走馬の研究を主目的に「育成」で貢献してきた。その育成馬の中から08年朝日杯FS優勝馬セイウンワンダーなどが活躍馬が巣立った。

 近年は「生産」の研究も強化。繁殖牝馬は10頭以内と小規模ながら、現4歳からは生産も始めた。種々のデータ計測のため現4歳はデビッドジュニア、3歳はケイムホーム、3世代目の2歳はアルデバラン2と全て同じ種牡馬と配合。芦毛の母エポックサクラとの間に生まれたグランシェリーに、石丸睦樹(むつき)業務課長(48)は「骨量が豊かで、性格も素直。大きな病気もなく、扱いやすかった」と幼少期を振り返る。生産馬は軽種馬育成調教センター(BTC)の研修生の教育用馬となるが「生徒の誰もが乗りこなせた。それだけ、従順だった」(石丸氏)と模範的な“教師”だった。

 今年4月ブリーズアップセールで680万円(税抜き)で落札。新馬→中京2歳Sで2連勝と鮮烈デビューを飾った。同セールで見初めた庄野師は「牝馬のわりに丈夫そうで、長く頑張れるのでは…と。正直、期待以上の頑張り。オーナー(間宮秀直氏)の初めての所有馬でG1。強い馬はたくさんいますが、頑張ってほしい」とエールを送る。

 馬も人も、生産牧場も“初ものづくし”の夢のG1舞台。多くの馬を抱える牧場関係者は当日、テレビ観戦という。「新規馬主さんの所有馬で、競馬の裾野が広がるという点でも意義深い。競走馬の研究が第一目的ですが、取り組みの一環として、G1に出走できるのはうれしい限り」。石丸課長は同僚とともに、北の大地から声援を送っている。

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